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『米国でミッキーマウスの著作権が2023年末で終了。二次創作NFT化はあり得るか?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.9.26

■米国でミッキーマウスの著作権が2023年末で終了したら日本でも自由に使えるようになる?

ミッキーマウスは世界的な人気キャラクターで、その権利はウォルト・ディズニー社が保有しています。

しかしアメリカでは、オリジナルのミッキーマウスの著作権が2023年末をもって満了し、2024年以降はパブリック・ドメインになることが話題となっています。

来年いっぱいで「ミッキーマウス」の著作権が切れるのだそうです。
カッコ書きにしているのには理由があるのですがそれは後半に説明するとして、パブリックドメインになるとしたら真っ先に思いつくのがNFT化ですよね。(web3民なら。)

2024年になった瞬間に「ミッキーマウス」のNFTが第三者によって乱発される事態が起きるのでしょうか?


■限定的ながら、勝手NFT化はされるかもしれない

結論を言うと、勝手NFTはそこそこ出てくるんじゃないかと思います。
ただしかなり限定的な範囲で。

確かに著作権は切れます。そのためNFTは一定出てくるはずです。しかし2023年に切れる「ミッキーマウス」の著作権というのが実はかなり限定的なので、いきなり何でもアリにはならない、というのがひとつ目の理由です。

ふたつ目の理由は、ウォルトディズニー社が著作権訴訟にアグレッシブなのは周知の事実だということです。限定的な範囲を超えた瞬間に、見せしめのための訴訟をやる可能性が高いと考える人が多いはず。そこまで際際を攻める人は少数だろうと思います。


■限定的に切れる著作権の範囲とは?

ご紹介したニュース記事に詳しく説明されていますが、限定範囲を要約すると

・当初の映像作品・オリジナルのミッキーマウスの著作権が切れる
・ウォルト・ディズニー社の商標権を侵害することはできない
・アメリカと日本の著作権法は別

この3点が挙げられています。

作品単位で著作権が設定されていることになっているため、「ミッキーマウス」というキャラクター自体が使い放題になるわけではありません。映画『蒸気船ウィリー』の著作権が切れるだけです。例の「三連の輪っか」では『蒸気船ウィリー』を基にしていると判別できないためNG。

また「ミッキーマウス」という名称の商標権は有効なままなので、二次創作NFTに「ミッキーマウス」と表記することはできません。

さらに日本では『蒸気船ウィリー』の著作権がいつ切れるのかの解釈が異なるため、もし「日本ではまだ有効」だとウォルトディズニー社が主張して訴訟を起こしてくることを心配するなら、日本発で「ミッキーマウス」NFTを出すのは非常にリスキーです。


■それでも勝手「ミッキーマウス」NFTが現れそうな理由

「勝手NFTはそこそこ出てくるんじゃないか」と予想しましたが、勝手「ミッキーマウス」NFTが出てくる理由がたくさんあります。

・「ミッキーマウス」が中央集権の象徴と捉える人が大勢いるから
・「世界初のミッキーマウスNFT」というニュースバリューがあるから
・際際を攻めること自体でミーム的に盛り上がるだろうから
・匿名で出され国籍不明、訴訟相手不明にできそうだから
・AIアートに元絵を食わせて誰でも簡単に制作できるから
・単純に売れそうだから

などなど、NFT化されるだろう理由には枚挙にいとまがありません。

あと1年3か月もありますからNFTのトレンドも変わっているでしょうし、もしかしてウォルトディズニー社自体がNFTを活用したビジネスをやり始めているかもしれません。

公式に『蒸気船ウィリー』NFTを出し、それの二次創作を促しつつルールがやガイドラインを明示するような方法を採ることだってあり得そうです。


■IPとファンの関係を考える良いきっかけに

NFTアートでは二次創作を積極的に許していくことでファンにビジネスチャンスを提供、お金のつながりも活用することでファンコミュニティを強固にしていくのが一種の王道な手法になっています。

しかしそれはオリジナルなNFTアートプロジェクトでの手法に留まっていて、ウォルトディズニー社をはじめ既存の大手IPが二次創作を積極的に許す事例は今のところほとんどないのが現状です。

NFTだけでこの状況が大きく変わることはまだないと思いますが、「ミッキーマウス」はやはり影響力が大きい。IPビジネスやファンビジネスの新たな在り方が2024年の勝手『蒸気船ウィリー』NFT登場でちょっとしたバタフライエフェクトを起こすことに今から期待しています。

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