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『X2Y2、NFTロイヤリティ復活させる判断。独自マケプレ化が進み、みんなでアイテムを供給するNFTゲームやSNSが生まれる?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.11.21

■NFT市場大手「X2Y2」、クリエイター手数料を再開へ

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム基盤のNFT(非代替性トークン)電子市場「X2Y2」は17日、すべてのNFT取引で設定されたクリエイター手数料を徴収することを発表した。

NFTの二次流通でクリエイターに流通手数料であるロイヤリティが入る仕組みの是非が揺れていましたが、NFTマーケットプレイスでは一応の結論が出たようです。

二次流通ロイヤリティを事実上ゼロにしていたX2Y2でも二次流通ロイヤリティを取ることとした、というのが今回のニュースです。

これで当面はNFTの二次流通にはロイヤリティロイヤリティが発生するのがデフォルト、という感覚が戻ってくると思われます。


■NFTの販売目的別4類型と投機マネーの関係

パジさんがvoicy上でNFTの販売目的やユーティリティによって4つの類型に整理されていて非常にわかりやすかったので引用させていただきます。

1.PFP系:キャラクターの認知拡大によってPFPとして使用
2.NFTゲームのアイテム:ゲーム内のアイテムや土地など
3.パスポートNFT:DAOやオンラインサロンの参加権
4.クラウドファンディングNFT:夢をかなえるための応援・集金

の4つに大きく分類されるとしています。

このうち4の寄付・クラウドファンディングについては二次流通よりは一次販売での「打ち上げ花火」の大きさが必要となるとしており、中長期的にプロジェクトを発展させホルダーに価値還元していくものとは毛色が異なるとしています。

つまり二次流通の重要性が相対的に低いため、ロイヤリティ設定の有無に依らないうえ、ぶっちゃけオンチェーンかどうか、プライベートチェーンかどうかもあまり問われない使い方となる場合が多いと考えられます。

そのため、買える人が最大化する「法定通貨での売買」ができた方がよい場合も多く、またマーケットプレイスに参加しているユーザー数が多い方が有利と言えるユースケースとなります。オフチェーン・プライベートチェーン系NFTマーケットプレイスの唯一の勝ち筋はここじゃないかと思います。

その他の1~3の場合も、ユーザー数が多い方が有利になります。

とすると、やはりシェア最大のOpenSeaが最も有利なマーケットプレイスに返り咲くことになるはずです。

二次流通ロイヤリティは高価なNFTであるほど馬鹿にできない額となるためX2Y2やSudoswapのニーズは一時期非常に高まったと思いますが、OpenSeaが「Operator-Filter」対策を打つ12月10日以降はスマコンに強制的にロイヤリティ設定を書き込むことができない古いNFTのみメリットがある状態になります。

BAYCなど古典的な高級NFTは今後も扱われるでしょうが、やはり先細りになるだろう懸念は否めません。

ではX2Y2などはOpenSeaに対して全く勝ち目がないのでしょうか?私は別の勝ち筋があるんじゃないかと思っています。

ゲームタイトルごとの個別に作られるNFTマーケットプレイスのバックボーンOEMまたはゲーム用NFTマーケットプレイスのポータルに商機・勝機があるんじゃないかと予想しています。


■NFTのユーティリティを最大化する専用マーケットプレイスに移行する可能性はある

2.NFTゲームのアイテム:ゲーム内のアイテムや土地など

に代表される、ゲーム内で使えるというユーティリティがゲームアプリとして提供され、マーケットプレイスもゲーム運営側が独自に用意するケースというのは今後も流行りそうです。

複数のアプリなどで共通利用できるインターオペラビリティ・相互運用性が望まれるのがNFTの本来の姿だとは思いますが、利用方法を定義しやすくユーザーをアプリ・ゲームの特長で訴求できるわかりやすさから、今後もゲーム+専用NFTマーケットプレイスという組み合わせは増えていくと考えています。

NFTプロジェクトも規模が大きくなってくると独自ゲームや独自サービス用のアプリを出し、専用のNFTマーケットプレイスとコミュニティを用意するというかたちになると思います。

NFTが単なる画像や動画に留まっていたままでは投機マネーによる売買ゲームから脱した成長が望めないことから、ユーティリティとセットで開発されることが今後は増えるだろうと思います。

これらゲーム専用NFTアイテムの売買機能を、ゲームを開発するたびに用意するのは面倒です。AppleのAppStore規制問題でアプリ内にNFTマーケットプレイスを組み込めませんし、集客動員はWebで別途行う必要もあります。

そこでX2Y2などがバックボーンとなり、Web上のゲーム用NFTマーケットプレイスの受け皿となるということはあり得るんじゃないかと予想しています。ゲームユーザーが集まるNFTマーケットプレイスとなれば、新たにNFTゲームを出す際の集客プロモーションに強みが生まれるだろうと思います。

Oasisチェーンがゲーム専用を謳うように、ゲームアイテムNFT専用マーケットプレイスのポータル化、OEM化は非常に強い市場になるんじゃないでしょうか。


■みんなでアイテムを供給するNFTゲームやSNSが生まれる?

そうなると、今までのスマホゲームでは難しかった「ゲーム内アイテムをサードパーティーが供給する」ということが起きる可能性はあります。

ゲームの場合はバランスを崩さないようにする仕組みが同時に必要ですが、運営のみがイベント設計をするやり方から、いろんな人にアイテム供給が開かれていく道もあり得ると思います。ゲーム運営のNFTによる民主化です。

いわゆるゲームだと難しいかもしれませんが、TwitterやInstagramのコンテンツはユーザーが供給していて、それでサービスが維持発展成長しているわけですから、評価の仕組みなどの工夫によっては不可能ではないんじゃないかと思っています。

ゲームが流行れば独自マーケットプレイスで流通するNFTも盛んに売買されるようになるでしょうし、使い道がはっきりしているぶんNFTクリエイターも乗っかりやすい。

NFTプロジェクト単体で勝負するのではなく、NFTゲームをプラットフォームとして開放するようなNFTクリエイターが集えるプロジェクトも今後数多く出てくると期待半分予想中。ある程度モノサシが示された方が燃えるクリエイターも多そうですし、きっと近いうちに出てくるはず!

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