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読書録 「子どもはみんな問題児。」

私のこどもは3歳の男の子です。
自分の性格とはかけ離れていて、わんぱくで、ひょうきんもの。
おしゃべりで、食事中は白目剥いて変顔ばかり見せて、園庭で遊ぶお友達に誰かれ構わずついていって追いかける…。

こどもらしく自由奔放なのは良いことなのですが、危ないことをした時に注意すれば鬼のような形相で大泣きし、その後もずっとグズグズを引きずって私までイライラ…。普段はおしゃべりなのに、話を聞いてほしい場面ではまったく聞かず、顔を見れば上の空…。私が「フ〜ッ」とつまづく場面は日々チラホラです。
「3歳はどこもそんなもんだよ」そんな声も聞こえてきそうですが(笑)

そんな時に知った本が「子どもはみんな問題児。」
ぐりぐらシリーズで有名な中川李枝子さん&山脇百合子さんコンビの本です。表紙のイラストにはとても懐かしさを感じます。
そして、なんといってもこのタイトル!どこかの優しいおばあちゃんにでも抱きしめてもらったかのような包容力を感じます(笑)

私がこの本の中で、特に気に入った文章を3つ紹介します。

◎ 1つ目
『子どもらしい子どもは、ひとりひとり個性がはっきりしていて、自分丸出しで堂々と毎日を生きています。
それで大人から見ると、世間の予想をはみ出す問題児かもしれません。だからこそ、かわいいのです。』



確かに…私からすると「なんで今このタイミングでそれするの!?」「ちょっと待って!」「なんで先に教えないの?」って事ばかり。でも、それって、大人になった私のモノサシなんだな…と反省しました。

◎ 2つ目
『子どもがご飯を一杯食べるのなら、お母さんは二杯食べなきゃだめよ、と私はいつも言っています。
子どもがドンとぶつかってきても、よろけないで突き返せるくらいの体力が必要だからです。
子育て真っ最中のお母さんが、私にはうらやましくてたまりません。なんて幸せな人だろうと思います。
子育てに追われておしゃれもできない、社会から取り残されているなどとぼやいていますが、そんなことはありません。あなたはまぶしいほどに輝いています。
世の中のすべてのことが我が子にかかってくるのですから、いま社会の最先端に立っているのはお母さんたちです。』



母親になってみて、我が子がいてくれるありがたさ、かわいさ、幸せはほんとうに日々感じます。けれど、自分一人だった時には知らなかった世界に、馴染もうと、置いてかれまいと、苦しくなることも多いです。
こういう言葉をかけてもらえる場面って、私は今までなかったです。「なんて幸せな人だろうと」「あなたはまぶしいほどに輝いています」なんて言葉。ありがたい言葉だな〜と思いました。

◎ 3つ目
『保育園でお母さんを見ていると、お弁当作りが上手なお母さんもいれば、趣味のいい服を着せるのが上手なお母さんもいました。ただ両方できるという人はあまりいなくて、たいていどちらかだったものです。
得意なものがひとつあればいい。
それでお母さんは、自信をもっていばっていればいいと思うのです。』



母親になると日々やることがぐっと増えます。
もともと私は掃除や洗濯、料理といった家事は好きな方ですが(タスクをこなすのが好きなだけで上手とかではない)、家のこともして仕事もして保育園や幼稚園に預けて…と、現代の母親は求められてるスキルが高いな〜…と思ってました。どうしても”母親”という理想像があって、苦手なこともまるっと全部できてないと、母親として子どもに申し訳ないなって、思ってしまう癖があります。
でも、何か1つ得意なことがあればそれで十分というこの言葉は、世の中のお母さんたちのお守りになるような言葉だなと思いました。


この本を書いた中川李枝子さんは「ぐりとぐら」を書くずっと前から保育士として働かれていたそうです。多くの子どもたちを見てきた保育士さんが書いている、という安心感もあり、あっという間に読めてしまいます。



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