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インド人とタマネギ価格

世界的にインフレ対策が焦眉の急となっていますが、
インドももちろん例外ではありません。
これは2015年ごろではありますが、
住宅ローンが「たったの月利0.9%!」とあります。
年利ではなくて、月利です。

住宅ローンの広告です

単利で考えても、月利0.9%で年利 10.8%!
これは変動金利だと1%を切るのも当たり前、の
日本とは大きな違いがありますね。
インフレ率が非常に高いことの
裏返しなわけです。
日本もインフレが意識されて来ましたが、
元々インフレ率が高いインドでは、
以前ご紹介した、インド人は貯蓄として、
金を買うのが大好き、となるわけです。
長年、インフレが当たり前の国の
習慣なのでしょうね。

ちなみに、金や宝石はインド商人が
割と世界を牛耳っている業界でして、
ダイヤモンドの取引の世界一もインドで
ムンバイでの取引市場が有名、
その他の石も、ジャイプルなどが有名です。

具体的な数字を見てみると、
IMFのデータブックから、2019~2021年の
日本とインドのインフレ率は、どうかというと、
日本は、0.47%、-0.03%、-0.24% ですが、
インドは、4.76%、6.18%、5.51%。
なかなかのインフレ率ですね。

こうしたインフレの中、消費者物価も徐々に
上がっていくわけですが、
インド人が何よりも重要にしている価格が、
「タマネギ」価格です。
インドの家庭料理は必ずといっていいほど、
タマネギが使われており、庶民の暮らし向きが
決まるのがタマネギ価格です。
タマネギ価格は季節風(モンスーン)による
雨量の増減により収穫量が大きく変わり、
価格もそれに従って変化します。
タマネギ価格が上がると、
その他の食料品価格のインフレも招きます。
政府も一番注目しているのがタマネギ価格で、
タマネギ価格が高騰すると、庶民の不満が高まり、
政権の支持率に直結します。

逆に、モンスーンによる雨が潤沢で、
農産物の収穫が順調だと、
インフレも抑えられ、農家も収入が十分に上がり、
経済成長にもつながります。
インドの経済成長を見るには、
モンスーンの状況、タマネギ価格が重要な
説明変数となっているわけです。
ということで、タマネギ価格がインド人にとって
これだけ大事なんだ、と理解しておくと
何かと役立つかも、ですね。

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