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インド人と資金調達#1

経済成長が著しいインドですが、
成長中ということは不足しているものが、
当然ながら多々あります。
製造業であれば、高度な技術力も知的財産も
またまだ、でしょうが、
もっと根本的なもの、というか、
国全体としての不足、
資本の不足があると思います。

たいそうなことを書きましたが、
要するに、投資資金、運転資金の
確保がまだまだ難しい、ということですね。
資金需要はあるものの、国として
外資を確保する手段がまだ乏しく、
資源も輸入に頼っていて、
1990年代まで、ほぼ社会主義経済
でしたから、資本の蓄積もない。
結果、通貨も弱含みでインフレ率も高い、
とまあ、そういう状況ですね。

前置きが長くなりましたが、資金の確保、
とりわけ、運転資金が非常に重要。
日本の中小企業もそうでしょうが、
インドでは純粋なサービス業なら
いざ知らず、中堅、大企業でも超重要です。
物販でも製造業でも、
原材料・製品の仕入れが先にあり、
販売した後に資金の回収があるため、
その時間差を埋めるのが
運転資金、な訳ですが、
国全体で資金不足ですから、
インフレ率も政策金利も5%程度あるために、
銀行の利子も年利10%程度はかかる、
その中でどうやりくりするか、が、
経営を大きく左右します。

ということで、勢い、
いかに金払いを遅くして、
いかに回収を早くするか、に
注力することになります。
調達部門の腕の見せ所は、まさに
ここになり、、
仕入れについては金額だけでなく、
支払い条件を有利にするように頑張り、
逆に納めたものについては、
営業をつついて、代金を回収させる。
終わった作業や納品された資材に対しては、
粗探し、とまでは言いませんが、
何か検収条件に満たない
不具合がないか探して、支払いを
遅らせることも厭いません。
私も駐在時は、どことは言いませんが、
相手先の会社が、いかに金払いを
遅らせたか、で、
調達担当者の評価が決まるようで、
何かと理由をつけて支払わない、
(日系企業でも!)という経験も。。

考えてみれば、年利10%近ければ、
一月入金が遅れてしまったら、
運転資金の利子で、
1%近く損益に影響してしまいます。
商品の販売だけなら、利益率は
良くて10%でしょうから、
一月回収が遅れたら、それだけで
利益が吹き飛んでしまいます。。

逆に運転資金に余裕があれば、
支払い条件を緩和させることを交渉材料に、
値引きを取りに行くこともできます。

ちなみに、政府とか公共部門なら
きちんと契約通り支払いをしてくれるだろうと、
思っていると、これまた全然逆でして、
なんだかんだと理由をつけて、
支払いを引き伸ばし、お金を
なかなか払わないのが、中央、地方含めた
政府だったりします。。
こちらも債券が売れなかったり、
税金をなかなか払わない住民・企業がいて、
手元資金がなかったりするんでしょうか。。

少し長くなってきましたので、
次回に続きます。

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