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【徒然和菓子譚】その6
今日は南蛮菓子の話です。
南蛮菓子とは室町時代末期から安土桃山時代にかけて来航したポルトガル人やスペイン人によってもたらされたカステラ、ボーロ、金平糖、有平糖などです。南蛮貿易やキリスト教布教の副産物とも言えますが、卵や砂糖をふんだんに使った南蛮菓子は当時の日本人にとっては大きな刺激となったことと思われます。菓子の名前はほとんどポルトガル語から来ています。カステラは当時のスペインの呼び名cast
【徒然和菓子譚】その5
今日は羊羹のお話です。
起源は読んで字の如く「羊(ひつじ)の羹(あつもの)」、つまり、羊の肉や内臓をとろみをつけた汁で煮たものです。中国点心四十八羹の一つであり、他には猪羹、海老羹、白魚羹などがあります。
鎌倉時代以降に禅僧によって伝えられたと言われていますが、羊の肉や内臓を煮たものはやはり日本の食習慣になじまず、その代用品として小豆餡と粉を練って羊の肝の形に仕上げたものを蒸してから汁に入れた
【徒然和菓子譚】その3
さて今回は外国からきたお菓子についてお話していきましょう。
古代において自然発生的に国内に存在した菓子とは別に、外国からの伝来によって全く新しい菓子がもたらされました。特に古代から近世に至るまで一大文化先進国であった中国の影響は極めて大きなもので、それは遣隋使、遣唐使をはじめ、仏教を伝えるため訪れた禅僧たちによって、様々な文化とともに伝えられました。その影響は、それまで単なる補助食料にすぎなかっ