見出し画像

なぜ某コーヒーショップは紙ストローを導入するのか

近年、私たちの生活環境が大きな変化を遂げています。新興のトレンドや若者の趣向の変化により、様々な産業が顧客層の変化に適応しなければならない状況となりました。特に、某コーヒーショップでは最近、紙ストローの導入が注目を浴びています。一見すると、環境配慮の一環と思われるかもしれませんが、実はその理由はもっと実用的で商業的なものなのです。


なぜこのコーヒーショップが紙ストローを導入したのでしょうか?

その答えは、顧客層の変化にあると考えます。近年、若者の趣向が大きく変わり、カフェ文化が急速に拡大しています。若者の多くは、コーヒーショップでくつろぎ、友人との時間を楽しむことを好み会話を楽しむ。しかし、これにより店内の回転率が低下し、売り上げに悪影響を及ぼすという問題が浮上する。


実は、紙ストローの持続時間が短く、水に濡れると形が維持されないという特徴を利用して、このコーヒーショップは顧客の回転率を上げるための戦略を練ったのだと考える。紙ストローを使用することで、飲み物が早く減り、客は新たな注文をする必要性が出る。ここには濡れてふやけた紙ストローの疎外感からくるネガティブな衝動によるものだと思う。スタバのようにブランディングによるロイヤリティと第一想起がきちんと取れているコーヒショップはこれくらいのことで離反する顧客は少ないだろうが、初めてふらっと入ったコーヒーショップでこの体験によるネガティブな印象を持った場合、おそらく9Segの優位側への顧客移動は起こりにくいだろう。しかしこのような状況下では、経営的観点では、店内の席が回転しやすくなり、多くの顧客を受け入れることができるとも捉えることができる。

例えば20席で1顧客平均滞在時間40分客単価平均600円のカフェがあるとする。8時間営業とし満席で開店するとする。
すると1日の売り上げは144000円となる。

しかし紙ストローを導入し他の変数は変わらずに滞在時間が20分になるとする。
すると売り上げは2倍の288000円である。

当たり前の計算だが滞在時間というものは非常に売り上げに影響する。ここに徹底的にこだわった結果、あの価格でラーメンを提供する二郎の企業努力は本当に素晴らしくそのために帰国したいと常々思う。

もちろん、この戦略は賛否両論がある。一部の人々は環境に配慮した選択として紙ストローを称賛する一方で、他の人々は短期的な商業的な利益を優先する動きによって本来のコーヒーを飲むという体験の価値低下により離反するないしは顧客のロイヤリティに変化が起きる可能性は高いだろう。しかし、このコーヒーショップが導入した紙ストローの背後には、顧客層の変化に適応するという商業的な意図があることは事実です。おそらくスターバックスは2020年以降のESG投資が、各メディアの予想規模を大きく上回ったことにかなり影響を受けたのではないかと考える。
残念な事実だが、あんまり人間は環境配慮ということを本質的に考えることができるほど情報処理に優れた脳を持っていない。
『友達と話しながらコーヒーを待って並んでいて、環境に悪いのでプラスチックではなく紙ストローに変えてくれませんか』と店員さんにお願いする人は一日に地球上に何人いるだろうか。おそらくそれを気にする人はそもそもフタのプラスチックを嫌がりマイタンブラーを持っていく。つまりストローをもらった時点でそこまで気にしていないのである。
またストローの原材料であるポリエチレンは実は産業廃棄物である。そのためむしろエコ商品であったものをSDGsというムーブメントに合わせてブランドイメージを刷新する戦略なのである。そしてこんな細かいことに関して考えて調べて記事を書く自分のような顧客はあまりいない。

このような商業的な戦略を取ることは、競争の激しい現代社会においては一つの手段として考えられるかもしれない。しかしその一方で、私たちは環境に対する配慮も忘れてはいけない。ただ本当に環境を配慮するのであれば、SDGsバッジをつけて歩くのではなく山や海に出歩き、落ちている産業ゴミを目で見にいくことから始める方がよっぽど本質的であると考える。

そしてなぜ環境配慮という言葉に釣られるのか。これは進化生物学的観点からの行動原理が推測される。インフルエンサーや自分のロールモデルのような人は環境配慮をしているプロダクトを案件等で紹介しているだろう。ここ心理的に起きている動きというものは、

環境に配慮してる商品なんだ、いいな→買おう
ではなく
憧れの人は環境配慮に気を遣っている→私もそうしよう

簡単にいうとこのような動きである。人間は社会的地位の高い人が持つものを手に入れたいと思う。これは遺伝子的レベルから起こる生存本能由来の衝動である。

つまり
インフルエンサーは綺麗でお金もあってイケメンの彼氏がいる

そのインフルエンサーは環境配慮している商品を愛用している

自分も環境配慮すれば彼女のように綺麗でお金も稼いでイケメンの彼氏ができるかも

よし買おう

インスタにあげよう(承認欲求かつステータス誇示)

(それをみた人)投稿者は社会的地位が高いのかも。。。というイメージができる。

これを計算するのがブランディングであり、小手先のイメージ戦略で動いているマーケティング事業も多いが本質はこれである。この辺りはLVMH
やP&Gはとび抜けて優れていると思う。

いては、議論の余地があることは確かである。しかしこのコーヒーショップが紙ストローを導入した真の理由は、環境配慮ではなく、客の回転率を上げるためであると言っても過言ではないだろう。
現代社会においては、商業的な観点と環境配慮を両立させることが求められています。しかし大衆のリテラシーに企業の動きは相応します。
私たちはより持続可能な未来に向けて、ちょっぴりリテラシーを高めるという努力から初めてみてもいいのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?