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サラリーマンが会社を買う、そんな提案があります

「みなさん、社長になって豊かな生活を送りましょう。」と思いつくけど実行しない考えを、「みんななら一歩踏み出せばできる!」と提案する本があります。それが『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』です。

本日その本を読了しましたので、書評について書きました。

課題提起

今人生に一つも不安がない人はほとんどいないと思っています。このまま生活していくだけで良いのかと思う不安、育児や介護の問題、老後が心配、などなど数え上げれば枚挙に暇がありません。
その中でも経済的な問題、つまりは金銭については、不安解消するための一つの方法があるよ、と提案してくれています。
それが、”小さい会社を買って、会社を大きくする”という提案です。

本の内容

端的に「社長になって売上・利益を上げる、と同時に企業価値を高めていけば資本家になれますよ。みんな一歩踏み出せばできますよ。」といった内容です。
自分が社長に?そんなの想像できないし無理だと思う、という考えをデータや経験を根拠に違うと諭し、同時に社長になるメリットを提示してくれます。

根拠としては主に下記のようなことです。
①廃業理由は”後継者不足”が多数で、経営土台はしっかりしている
 日本政策金融公庫によれば、60 歳以上の経営者のうち50%超が将来的な廃業を予定。このうち「後継者難」を理由とする廃業が全体の約 3 割 に迫る。という報告も2019年11月に上がっています。
 黒字廃業も実際に多く、そのまま自分が後継者になれば販路や資産をそのまま引き受けることができます。2年ほど前に「痛くない注射針」や「梅ジャム」も惜しまれながら廃業したという話もあり、確かにその企業を引き受けるだけでスタートアップのように経営が立ち行かなくなる、なんてことはありません。

②大企業では当たり前のことを実践するだけで大きく変わる
 そのままの意味であり、20年前ほどのインフラで業務している会社もあるとのことです。会計は通帳や伝票管理、倉庫には無駄な在庫、物が整理されておらず所在が不明瞭、などです。それらを解消するだけで、経営改善が見込めます。
 そんなインフラの状況なんてバカな?と思っていましたが、最近話題になった保健所がFAXでしか連絡できない、ということもあり、あながち嘘ではないと思います。

③業界の知見がある
 そのままの意味です。今の仕事で身につけた業界知識をそのまま活かすことができるので、業務内容にすぐに順応できます。

④会社規模は大企業の部署ほどの大きさ
 社長となるとよく耳にするユニクロやソフトバンク、ニトリなどですが、そんな会社はそうそうありません。実際の中小企業は規模にもよりますが、大企業の一部署(チーム)と一緒ほどの大きさです。なので、部署を率いることやチームを率いてきたマネジメント経験がそのまま生かせます。

考慮すべきこと

こんな内容であるから、当たり前のことを行うだけで業績アップし、その分役員報酬や株価も上げることができ、資本家になれるということです。ただし、美味しい話ばかりではありません。見えていないリスクは多数あり、会計の不正(帳簿外の負債)や社内の反発、労務上の問題などです。
蓋を開けてみたら、実は架空取引であった、不動産の減価償却が不適切だった、と行ったことがあり得ます。
東京商工会議所の事業承継によるアンケートによると、自社の株価評価を行っている年に一度以上行っている会社は約2割しかいないという情報も出ています。それほど、経営者が会計に無関心な場合、会計的な問題が起こり得る可能性は0でないと思っています。
ただ、その対処法の一つもこの本には記載されているので、参考にできると思います。

最後に

ちょっと一歩進むだけで大きく前進する可能性があることを今回この本では示してくれました。社長なんて大それたことは無理だよと普通の人が考えていることを一歩見方を変えればできる可能性があることを指し示してくれました。
私自身は経営者に今はなりたいというわけではないし、現業務に集中したいという気持ちもありますが、自分の今サラリーマンをしている線の隣に、社長として敏腕を振るう(かもしれない)線があることを気づかせてくれた、そんな本でした。

是非参考にしていただければと思います。

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