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生徒の目が輝く!?英語の授業が楽しくなるWarm upアイディアを大公開します!!

はじめに

著者は元公立中学校の英語科教員です。この記事では、子供たちが「4技能5領域」をフル活用して楽しく取り組める(であろう)学習活動のアイディアを紹介しています。毎回、授業の最初に5~10分間のWarm up活動を行っていました。これから英語を聞いて、読んで、話して、書くんだという気持ちの切り替えをさせると同時に、英語学習へのハードルをグッと下げることをねらいにして行っています。また、単元が進むごとに学習活動のレベルをあげることで、既習の文法事項や語句を使って表現できる幅を少しづつ広げてあげることも意識していました。

最近はYouTubeやスマートフォンアプリなど、さまざまなツールを利用して「個」で学習することが容易な時代になってきています。
しかし、同じ空間で共に学ぶ仲間がいるからこそできる学び・体験があります。子供多たちには、教師や友達と共に和気藹々とした雰囲気の中で試行錯誤を繰り返しながら英語を習得してほしいと思います。学習活動のバリエーションを教師が多く持っていることで、子供たちに「今日はどんな活動をするのかな」「今日こそ、あの活動で前回よりもステップアップしてみせるぞ」などとドキドキ、ワクワクの期待感を持たせることができるはずです。

また、学習活動を行う上で「活動あって学びなし」という状況は必ず避けなければなりません。単に「よくわからなかったけど楽しかった」「じゃんけんで勝てて嬉しかった」「スライドのイラストが面白かった」などの感想で活動が終わってしまうのでは、準備する教師側にも活動する子供側にとっても得られるものは少ないでしょう。せっかく活動をするのであれば、英語使用の「正確さ」「流暢さ」「適切さ」「複雑さ」も向上させたいものです。そのようにして、英語が「わかる·できる·たのしい」といった感覚を子供たちが少しでも味わってくれれば、あわよくば英語を少しでも好きになってくれれば、これ以上の幸せはありません。

活動のアイディア

1. Q and A 活動

3分間教室を歩き回り、ランダムにペアを作ってQ and Aをする。1問終えたら、またランダムにペアを作り、別の問題に取り組む。<最低3人以上と話すことを目標にしよう>などとしておくとダラダラしない。3分経ったら自席に戻し、生徒の中からランダムに3人程度指名して、教師対生徒でQ and Aをする。肯定的なフィードバックを与える。


2. クリスクロス
生徒が起立した状態で、教師による英語の質問に答える。正答すると、生徒が指定した列(左右前後)に立っている他生徒と一緒に座ることができる。

【手順】
①ルールの説明 
②生徒を起立させる 
③教師が英語の質問・問題を出す 
④生徒は挙手して、指名されたら回答する 
⑤生徒が正解したら、教師は生徒に列の方向を選ばせる 
⑥生徒は、選んだ方向の列の他生徒と一緒に座る ⑦次の質問へ  ※繰り返し

天気や曜日、時間、今日の授業数などの基本的な質問や、既習の文法事項を用いた質問(Do you~, Are you, Did you~ How many ~,疑問詞, 助動詞, 現在完了など)、教科書の既習のストーリ内容に関する質問(教科書を見ても良い)など。


3. 英語deアタックチャンス

PPTを用いて、問題の種類·難易度の表を見せる。代表生徒は表から好きな問題(お題)を選ぶ。
選んだ問題(お題)にクラスみんなで取り組む。
あるいは、グループでお題に取り組み、回答者を限定して答えさせてもクイズ番組のようで面白い。


4. 英語de実況中継

ペアまたは少人数グループで行う。グループ内の生徒をA·Bに分ける。Aの生徒らに、無声映画やアニメやドラマの音声をオフにした動画を見せる。Aの生徒らはその映像を見ながら、Bの生徒らに映像の様子を現在進行形の英語を用いて実況中継する。Bの生徒らはその説明を聞いて、映像の内容を後で日本語で説明する。全体で何人かのBの生徒にどんな映像だったかを説明させて共有する。最後に映像をみんなで見直し、全体で答え合わせをする。
より正確に説明ができていた人、説明を聞いて正しく理解できた人はすごい!うまく説明できなかった人、頑張って理解しようとした人も良く頑張った!と努力したことをたたえる。

おすすめ:the snowman(1982) by Raymond Briggs、When the Wind Blows (1982) by Raymond Briggs


5. Who is this?

教師が英語である有名人の他己紹介をする。それを聞いて生徒は、紹介された人物を当てる。
教師は1文ずつ紹介し、生徒はそれをもとに推理する。6文程度用意しておく。
早い段階で当てる生徒がいると、教室の雰囲気が沸く。早く終わった場合は、「この人物についてほかにどんなことが説明できる?」と生徒に考えさせる。
最後に、同様の人物を5文程度の英文で、自分なりに他己紹介文を書かせて提出させる。
あるいは教師の他己紹介を参考にして、自分の好きな有名人を他己紹介する作文を書かせる。毎時間のWarm upのときに生徒が作った紹介文でWho am I ? をすることもできる。


6. AETに挑戦状!日本のこれ、わかるかな

AETに見えないように、日本独自の物の写真を生徒に見せる。生徒はその物についてAETに英語で説明する。一人1~2文程度の英語で説明する。意見が出ないときは、教師がその物の色や形、食品なのか建物なのか道具なのかなどを生徒に英語で尋ねてヒントを出す。ある程度情報が集まったら、最後にAETに何についての説明だったかを当ててもらう。日本語や英語で答えてもらっても良いし、黒板にイラストを描いてもらっても良い。AETがその物を知らない場合は、写真を見せてもう一度生徒が説明した情報を繰り返して教えてあげる。やりたい生徒がすべて説明しなおしても良いし、教師が説明しなおしても良い。

例)鳥居の写真を生徒に見せる。生徒は It’s red. It’s big. It’s made of stone or wood. It’s a traditional Japanese gate. You can see it at a shrine. などと説明する。AETは Is it Torii?などと答える。あるいは鳥居のイラストを黒板に書く。

7. 1分間即興スピーチ

教師が与えたお題について、生徒が1分間でスピーチする。ペアで行う。
お題を発表後、30秒間のみthinking timeを与える。
じゃんけんで負けた人が最初にスピーチする。勝った人は聞き手。1分経ったら交代。
スピーチの型を最初に導入しておくと、スラスラ言える生徒が増える。(黒板に書いてあげてもOK)
最後に2人程度指名して、全体でスピーチさせて共有する。教師は肯定的なフィードバックを与える。

<発展>スピーチした内容を5分間でノートに英語で書かせる。流暢さ⇒正確さにもフォーカスする。

【お題例】
自己紹介、自分の家族紹介、自分の担任紹介、好きな教科、好きな季節、好きな有名人、好きなもの、興味がある国、自分の町紹介、昨日したこと、夏休みの思い出、夏休みの予定、おすすめの店、おすすめの本や映画など···


8. 英単語しりとり

号車ごとにグループを作る。一人ずつ前に出てきて、黒板に1単語だけ書いて戻る。次の生徒は直前に書かれた単語の最後の文字で始まる単語を書く。制限時間以内に正確に多く単語を書けたグループが勝ち。名詞しばり、動詞しばり、形容詞しばりなどをしても面白い。ボキャブラリーが少ない場合は、しりとりではなく、制限時間以内にどれだけ指定された品詞の単語や指定された種類の単語(自然、動物、国名など)が書けたかを競うのも楽しい。結構盛り上がる。


9. 英語伝言ゲーム

6人グループを作る。伝言する順番を決めたら1番手の生徒らは教師のところに行って、お題(英文、またはイラスト、写真、レアリア)を見る。グループに戻ったら制限時間以内に1番手、2番手、3番手…6番手の順に英語でお題を伝える。英文の場合は正確に伝える。イラストなどの場合はそのものの名前は言わずに、英語で説明する。6番手は伝言されたお題が何であるかを考え、教師に伝えに行く。
教師はあってたら「ピンポン」、間違っていたら「ぶー」などリアクションし、「ぶー」の場合はグループに戻って相談できる。 最後に全体で答え合わせする。

10. 3分間英作文チャレンジ&品評会

教師が与えたお題について、生徒が3~5分間で作文する。目標は5文以上。
作文の型を最初に導入しておくと、スラスラ書ける生徒が増える。
書き終わったら【品評会タイム】を取る。自分が書いた作文を机の上に置いて席を立ち、他の生徒が書いた作文を見て回る。他の生徒の作文の中で「いいね!」と思った文があれば、その文の横に<ニコちゃんマーク>を描く。<ニコちゃんマーク>をたくさんもらえる文を目指して今後も頑張らせる。

【例】
1文目:主張 I like summer the best.
2文目:理由の数 I have two reasons.
3文目:理由1 First, summer is the best season to swim. (I like swimming very much.) ☺
4文目:理由2 Second, I can visit my grandparents every summer. (I love them so much.)
5文目:結論 So, I’m looking forward to summer vacation.

【お題例】
自己紹介、自分の家族紹介、自分の担任紹介、好きな教科、好きな季節、好きな有名人、好きなもの、興味がある国、自分の町紹介、昨日したこと、夏休みの思い出、夏休みの予定、おすすめの店、おすすめの本や映画など···

11. 英語の歌を歌おう

洋楽を歌う。英語の歌詞と日本語訳を配り、意味を理解した上で聞かせる。各単語の発音や単語の意味に注意して繰り返し聞かせる。※歌詞シートを空所補充の形にして、埋めさせても面白い。
耳が慣れた頃から、声に出して歌わせる。
自然な英語の聞き取りに慣れさせるとともに、英語らしい発音を真似て声に出す練習になる。
月や単元ごとに曲を変えるとレパートリーが増えて飽きない。
季節やイベントに関連した曲も聞き慣れたものが多くあるため、歌いやすい。
教師の好きな曲でも良いが、既習の文法表現が多く使われている曲を意図的に選曲すると、当該表現を繰り返し刷り込むことで定着も期待できる。
例)3人称単数現在の場合:”Ob-La-Di, Ob-La-Da” by the Beatles 
生徒が休み時間や自宅で曲を口ずさむようになったらGood!

12. ラストセンテンス・ディクテーション(Last Sentence Dictation:LSD)

既習の教科書本文を活用する。教師が本文を通して読み、途中で読むのを止める。生徒はそれを注意深く聞いて、最後に聞こえた英文1文をノートに書く。教師は3回繰り返す。
教科書の該当ページを開いて内容を確認させ、書きとった英文1文のスペリングが正確かどうか、意味を理解しているかどうかを全体で確認する。

13. 教科書本文のリテリング

教師が指定した既習の教科書本文を1~2分間読ませる。内容を理解した(思い出した)上で、教科書を閉じ、何も見ないで本文のストーリーを英語で伝えなおす。

あるいは本文のピクチャーカードのみを見せ、
ストーリーの場面を説明させるのも面白い。

本文を丸暗記して答えるのではないため、本文中でキャラクターが行ったことを説明するには、主語を固有名詞や代名詞に置き換えたり、動詞を過去形や3人称単数現在の形に変化させる必要がある。

14. 不規則変化じゃんけん

教科書の資料ページに掲載されている動詞の不規則変化一覧表を使って、ペアでクイズを出し合う。
じゃんけんで勝った人は「を食べる」などと日本語の意味を言う。負けた人は<eat – ate – eaten>などと3変化を何も見ないで答える。5秒以内に答えられなかったら、答えを教えてあげる。そして交代。


15. 辞書引きチャレンジ

制限時間以内に、指定された英単語の意味を辞書で調べる。単語は動物、食べ物、乗り物、職業、環境などいくつかのジャンルを作っても面白い。 たくさん調べられた生徒は四天王入りする。トップ4を抜くことができるように、毎回チャレンジすることで辞書引きの速度が上がる。
辞書引きが苦手な生徒もいるため、四天王入り以外にも個人で<今日の目標単語数>などを決めさせ、それを達成することができたらしっかりとほめたたえる。

また、指定した接頭辞・接尾辞を含む英単語を指定した数見つけさせることで、それぞれの接頭辞・接尾辞が持つ意味について帰納的に学ばせるのも面白い。

16. 評論家チャレンジ

<基礎>
環境問題や社会問題などについてのまとまった英文を読み、それに対する自分の考えを英語で書く。
自分の考えが整理できたところで、ペア·グループで発表する。⇒作文用紙は提出

<発展>
基礎に加えて、仲間の意見を聞いてさらに自分の考えを述べたり、質問したりする。

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