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雨の日のチョコパイ

突然ではありますが幼少期のお話をさせてください。
小さい頃、私はペットボトル飲料を飲んだことはなく、飲み物は基本的に水かお茶。おやつはスルメかピーナッツか林檎か蜜柑。米粒一つ残すと叱られ、出されたものは全てたいらげる。そんなことを当たり前として育ちました。
スーパーに行く時には白湯を飲んでから出かけ、パックに詰め込まれた様々な惣菜やキラキラした色のお菓子の売り場は素通り。
車や新幹線で遠出する時には、いつもおにぎりと水筒を持って出かけ、サービスエリアの屋台やワゴン販売とは無縁の日々。

毎日毎日朝昼晩とお母さんの作った手料理ばかり。
ちなみに朝はパンに手作りジャムが定番で、昼は麺類が多かった。
夜は和洋中と様々な料理をふるまってくれた。
お母さんがお疲れのときはプレートで手抜き焼きそば。(でも親が手抜きだと思ってるその焼きそばが子供にとっては楽しみだったり。)
友達がくると、薄力粉で作るクレープや粉ゼラチンとインスタントコーヒーで作る珈琲ゼリー。
いわゆる既製品を食べる機会はとても少なかった。
そんな中なぜか天気が悪い日だけ出されたチョコパイ。
たまにしか食べられないそれは私の中のとっておきとなり、雨が降るとヒャッホーウと心の中でガッツポーズをした。

正直いうと、レトルトやジャンキーな食べ物に憧れた。
「これ食べたいって言ったら困らせるかな」「なんでうちではジュースが出ないんだろう。」「うちって貧乏なのかな」と子供ながらに勝手に思っていた。

親の心子知らずとはよく言ったもので、今ではその親の言動の裏にたくさんの愛情があったということをひしひしと感じる。
特別豪華なわけじゃないかもしれないけど、口にし身体となる食を誰よりも考え気遣ってくれた。毎日出される手料理に飽きることはなかったし、何よりどれも美味しかった。

久々の雨の日。
今は簡単には会いに行けないけど、次帰った時に今度は私が手料理をふるまおうかな。いや、やっぱり久々にお母さんの手料理が食べたいな。
とチョコパイを頬張りながら、ふと、そう思ったのでした。




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朗々と暮らしていく。をモットーに、プランニングやブランディングを主な生業としています。noteはゆるゆると。 企業や地域のビジネス課題をクリエイティブ×マーケティングで解決するBarbaraPool所属。 食のクリエイティブチームhonshoku所属。
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