美容室で働き方改革を行う前に読むべき記事
2016年に政府が「働き方改革」を企業に向けて推進を促しました。
そもそも「働き方改革」とは「一億総活躍社会」を目指すための取り組みの1つな訳ですが、「働き方改革」「一億総活躍社会」この2つ。どちらもネーミングセンスが全く無いと思いませんか?もっとスマートな名前にすればいいのに。。。
まあ、余談はさておきこの「働き方改革」は美容室経営においても例外ではなく経営者の方もどう取り組むか?どう改革を進めるかを考えてる方も多いと思います。
今回は私が考える美容室での「働き方改革」について書いていきたいと思います。
内容は経営者の方だけじゃなく、社員美容師の方やこれから美容師を目指そうとしてる学生さんも少し頭に入れておいて損はない内容となっております。
どうも!美容師の森でございます!!
美容室での主な働き方改革の内容とは
では実際に美容室において主な「働き方改革」の内容はどのようなものがあるか?
そしてもっとも大切な事はどのような改革をもたらせば労働条件を良好なものにしていかに今以上の利益を出せるか?
「働き方改革」したら売上下がりました。って事になってしまっては本末転倒。
サロンや会社、つまり組織としてどのような大枠を作りそこに個人の小枠をどう入れていくか?または大枠と小枠のベストな位置関係を築けるか?そこが非常に重要なポイントだと思います。
美容室での主な「働き方改革」の内容は大きく分けて以下の2つ!
①雇用形態
まずは雇用形態。どのような形でスタッフを雇用。または契約を結ぶか?
正社員、パート、派遣契約社員、業務委託、フリーランス契約
大きく分けるとこの5つになると思うので各項簡単に説明します。
正社員
現状もっとも多い形態 。基本給が給与の大半を締めるので変動がなく安定している。
経営側からすると、社会保険やアシスタントの雇用。または売上が上がらないスタイリストの給与が負担になる場合が多い。
「働き方改革」を推進するにあたり、これからの多様性の時代においては副業を認めるなどの工夫が必要。
さらに美容学校新卒者のために自社アカデミーなどを設けるなどしてアシスタント期間の短縮に取り組まないと人材確保が難しい。
会社と共に成長し、将来的に美容師を引退した後でも仕事が与えられるような事業展開も大事になってくる。
パート
子育て中のママさん美容師が対象になる事が多い系体。
給与形態は時給によるものが多い。一見するとパート雇用を設けた方が人手不足の解消になりそうだが、美容室業務においての個別作業は数十分単位の仕事が多い。そのため、勤務時間中に手が空いている時間が発生しやすいので時給雇用はあまり向いてないように思う。最低賃金の引き上げもあり、給与をメインに考えるなら美容師以外の職を選ぶママさん美容師も多い。
産後の復帰雇用を考えるなら土日も働けるように自社託児所の併設か、もしくは平日の定休日を設けないで雇用時間を増やすなどの取り組みが必須。
派遣契約社員
派遣会社を通して人材を派遣してもらう雇用方法ですが、週末だけなど単発雇用の目的で利用している場合が多い形態。ひと昔前より利用しているサロンは減少傾向にある。
理由はやはり派遣会社に払う契約料が高いので人材確保できたとしても利益幅が少ない。今後もあまりオススメの形態ではない。
業務委託
ここ数年増えてきているのが、この業務委託という形態ですが色々な問題やトラブルなどグレーな部分が多いのが実情。簡単にいうと美容師が独立して個人事業主としてサロンと契約を結ぶもの。次項目のフリーランス美容師と同じ意味合いですが最近では業務委託とフリーランス美容師の意味合いが変わってきてる感じなので、分けて説明します。
業務委託の場合、集客は会社側が行いご来店したお客様を契約者の美容師が担当する。という内容が多いのが現状だと思います。契約が全てなので契約内容にもよりますが、会社側は個人美容師を拘束する事はできない。材料費も会社持ちの場合が多いのではないか?報酬はフルコミッションの場合が多く、売上に対して40〜50%くらいの報酬が多い。
会社、個人美容師にとってもメリットは多いがもっとも気をつける点は税務署の判断に委ねる部分が大きい。という問題。
つまり税金対策を目的とした業務改革で正社員だったスタッフに業務委託契約の打診をしているような美容室は税務署に目をつけられるでしょう。また、業務委託契約をした美容師さんが確定申告をしていなかった為にトラブルに巻き込まれるケースもあるようです。開業届けを提出したにもかかわらず、確定申告をしてない個人美容師さん。業界発展のためにもしっかり税金払いましょう!!
フリーランス契約
上記の業務委託の形態と類似しているが、ここで言うフリーランスの美容師さんの定義は店舗を持たない完全独立!集客や予約管理はもちろん材料の仕入れ管理。顧客の管理。さらには経理処理、税金などの支払いを全て個人でやらなくてはなりません。
おそらく美容師という職業の中でもっとも大変な形態だと思います。
その分のメリットも多く、性格や仕事のスタイルとマッチすれば収入を増やすことも出来るし時間を作る事もできます。長年このスタイルで美容師を続けるのは厳しいかもしれませんが、将来的にフリーランス美容師として培ったノウハウを活かした事業に関わる事も可能だと思います。
②福利厚生
2つ目は福利厚生、これは正社員として雇用しているスタッフに当てはまる場合が多いと思います。社会保険(健康保険、介護保険、厚生年金保険、労働保険など)は基本的な福利厚生なので「働き方改革」においては上記以外の福利厚生の部分に着手した方が良いでしょう。
よく見かけるのは、住宅手当、介護休暇、育児休暇、時短勤務。などでしょうか?
それ以外で私が推奨したい支援制度は「資格取得支援制度」です。
これからの多様性の時代において、美容師も自己ブランディングは必須であり自分だけの個性を身につけていく必要があります。
美容師免許 × ◯◯◯資格 = 希少価値美容師
こんな感じのイメージですが、つまり美容師だけど◯◯も出来る!!
そういう人材を育てていけば会社にとっても有益な人材になっていくと思うんです。
◯◯◯の部分はいくらでもありますが、例えば
アロマ検定
アロマを使用したオリジナルのヘッドスパメニューの提案。
TOEIC
接客は全て英語で行いお客様の英会話の練習のお手伝い。
メンタルヘルスカウンセラー
接客中に悩みや相談などを聞いてお客様のメンタルケア。
カラーコーディネーター
パーソナルカラー診断からヘアカラーの提案。
インストラクター
資格ではないが、ダンス、着付け、ヨガ、などのスクールをお客様向けに開催。
一例ですが上記のような資格を美容師が取得する事で生まれる「希少性」をサロンが支援していくような福利厚生。これは今後の美容業界にとって必要になってくる「働き方改革」の一環だと思います。
オーナーさんはスタッフの広い意味での「スキルアップ」の手助けをする事でサロンにブランド力を付ける事が出来ると思います。
自社の理念やコンセプトは明確か?
では、美容室での「働き方改革」を実行しよう!と、その前にもっとも大切な事。
それはサロンのコンセプトです。別の言い方をすると、ターゲット顧客。または既存顧客のタイプなどの分析。これらを明確にする必要があります。
いくらスタッフの為に「働き方改革」を行い、職場の環境改善をしてスタッフのスキルアップにも取り組んでも、その結果お客様が減少してしまった。そのような結果に陥る可能性も想定しなくてはなりません。
大切なのはサロンの理念やコンセプト。そして方向性を明確にしてスタッフに伝える事。それを踏まえた上で、どのように「働き方改革」に取り組んでいくかを決定するか?そこが非常に重要です。
スタッフの意識改革は出来ているか?
ではサロン、または会社としての方向性を決定して早速「働き方改革」に取り組む。
しかしその前にもう1つやっておくべきこと。それはスタッフの意識改革です。
どういうことかと言いますと、「働き方改革」または職場の環境改善に取り組む上で注意しなければならないのはヘッドダウンで環境改善に取り組んでもほとんどの場合、失敗します。
あくまでボトムアップ。つまりスタッフの意識を変えて、スタッフからの提案を汲んでいかないとサロンワークで迷いや混乱が生じます。
誰でもいつもと違うこと、つまり仕事においての習慣をいきなり変える事はとてもストレスを感じてしまうものです。
合わせて読んでもらいたいオススメの記事
↓
https://note.com/mori_tei/n/n2e631fed1310
まずはスタッフの意識改革を行いましょう!をいう内容の記事を書いています。参考までに。
スタッフが求めている事は何か?
サロンのスタッフが求めてる事は何か?
つまり個人が組織に要求したい事柄を導き出してあげる事が非常に大事なんです。
簡単に言うと個人の方向性です。
プライベートな時間を作りたのか、美容とは別のスキルアップのための時間が必要なのか。とにかく高い年収が欲しいのか?独立してサロンを持ちたいのか?今いる組織の一部が欲しいのか?
それを叶えてあげる為に会社として何をどう変えていくか?
それが「働き方改革」だと思います。
まとめると
美容室での「働き方改革」はただ単に何かを変えればいいというものではない!
大切なのは、会社の方向性。そしてスタッフの方向性。
その二つがしっかり同じ方向に向かう為に会社は何をどう、なんの為に変えていけば良いのか?
その答えを出す事が「働き方改革」だと思います。
それにより、今よりも効率的に今以上の利益を出す事ができれば 会社が繁栄していくのではないでしょうか?
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