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【読書感想】坂口恭平の新刊2冊を読んで

 私は中学生ではなく立派な40代の大人だが、読んでおくと何かのヒントになるんじゃないかと思って、『中学生のためのテストの段取り』を購入して読んでみた。

 テストで良い点とるには、簡単に言うと全体量を把握して、それを日数で割って、勉強スケジュール表を作る、とのこと。簡単だが、効果が劇的だそうだ。そういった段取りのやり方の伝授はもちろん役に立つが、それよりも、この本は大人になった時、寂しい生き方しかできない会社勤めの人にならないようにするためのハウツー本ともいえると思った。

 「金が必要」=「やなことをして無理やり働かなきゃいけない」という思考に陥っている世の中を問うている。継続することこそが、才能であり、お金そのものである。あなた、お金になってください、というメッセージは分かりやすい。最近、大槻ケンジの『サブカルで食う』という本を読んでみたら、そこにも、「才能・運・継続」と三拍子が挙げられていた。やはり、「継続」だよね。三日坊主という言葉は、ないようなもの。それはただ単に、段取りの組み立て方が間違っとる、というのは、その通りだと思った。自分の今までを振り返ってみて、なぜ、あんなにどこかの会社に就職することに躍起になっていたのか、と思った。人に雇用されてもうまくいかないじゃん。時間売ってるだけじゃん。それから、今更ながら、「これしてて楽しい」と思えることを追求していきたいなと思った。

 もう一冊『よみぐすり』も読んでみた。Twitter語録集なのだが、とても力強い言葉が集まっていて、自分が負のスパイラルに陥った時、読むとちょうどいいな、と思った。やはり、一日三十人の死にたいと思っている人と話している人は出てくる言葉が違う。とにかく、掃除しろ、植物育てろ、手を動かせ、といったアドバイスは適格だと思った。好きなことをみつける、ってすごく簡単な言葉でよく言われる言葉だけど、そんなに難しいことでもないはずなんだけど、人はいつしかそれを忘れて生きている。そして死にたいと思う。たいくつなだけ、めんどくさいだけ、なのかもしれない、とも確かに思う。そして、誰か話せる人が必要というのは、もっともなことだと思った。でも、人は孤独だ。孤独なのは当たり前だ。一人で、なんかこれしてて楽しいなと思える時、って割と生きている実感が持てる。それで充分じゃん、と思った。

 坂口恭平さんをロールモデルにしようと思った。


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