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最近のワインの楽しみ方ーー岡昌治監修『岡さんの知ったか!ワイン塾』を読んで

 岡昌治監修 クリエテ関西 2021年出版

 前の職場の本棚にあって、ワインのことを学ぶには良さそうな本だと思って、購入してみた。

 岡さんという人はとてもいい人そうな日本ソムリエ協会名誉会長という由緒正しいソムリエだ。この本のスタイルもお話し好きなおじさんが、ぺらぺら陽気に話してくれてる感じがして、気軽に読めて楽しい。

 ワインをうんちく垂れながら飲む、というのはバブリーな時代の話で、私よりちょっと上の世代のバリバリOLやっていた人なんか、ワイン講習会とか出て、ソムリエの資格とろうかな、と思っちゃったりして、みたいなノリだった人はまあまあいる。けど、この本読んでたら、そういう嘘くさいワイン好きがはびこる時代は終わったんだな、と思った。安いワインでも買って楽しめればいいじゃん、みたいなスタイルをこの岡さんみたいなソムリエに言ってもらえたら、ああそっか、それでいいんだという気持ちになる。もちろん、ワインの歴史から世界各国のワイン、ソムリエならではの味わいの表現などもこの本には簡単に紹介されている。お好み焼きを、赤と白のワイン並べて食べてるとこなんか、なるほどと思った。いろんな楽しみ方があるのね。

 今までおいしいワインと言ったら、フランス産が当たり前だったのかもしれないけど、最近は、アメリカ、南アフリカ、といったヨーロッパ以外のニューワールドのワインも引けを取らないらしい。日本のワインもなかなかの味らしい。

 変わってきたよなと思う。昔はコルクの栓が当たり前だったのに、今はスクリューのものもたくさんあるし、おいしいワインの定義が変わってきたようだ。ワイナリーのレベルが上がってきて、全体的にワインの生産技術が上がってきたのだろう。

 私は、昔は、日本のワインはまずいと思っていたが、最近、長野産の五一ワインを取り寄せて購入するようになった。しっかりと応援していきたい。

 要するに、昔のソムリエなんかは、ワインがどう良いのか講釈垂れるのがかっこいいとされてたけど、今は、どんなワインを誰とどういった環境で飲んで、おいしく飲めるか、といったことがより大事になってきたように思った。そこに、この本で得たようなワインのちょっとした知識がついていると、もっと楽しみの幅が広がる、ということだろうと思った。


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