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【読書感想】文章力も料理の腕も憧れるーー高山なおみ著『日々ごはん1』を読んで

高山なおみ著 アノニマ・スタジオ 2004年出版

 私が高山なおみさんをはじめて知ったのは、山田詠美のエッセイでだ。彼女の読書記録に高山なおみさんの本読んで、タコ飯を作ったという話が書いてあってそれをずっと覚えていて、高山さんのエッセイも面白そうだと思ってたまに読んでいた。大学の図書館で、たまたまちくま文庫の彼女のエッセイ見つけたのも、思い出深い。研究書で敷き詰められた大学の図書館で、彼女のエッセイはひときわ輝いていた。というのも、当時の私がもう研究やだな、と思っていた真っただ中に見つけた本だったから余計嬉しかったのであるが。

 というのを、なんとなく地元の図書館の検索してた時に思い出して、この本を借りようと思ったのだった。

 この本は、彼女がレストラン「クウクウ」をまだやっていた時に、書いていたブログの日記をまとめて一冊にしたものだ。毎日しっかり書かれている。今となっては古い感じはするが、彼女がシェフやってた幻の多国籍レストラン「クウクウ」のことを知るにはとても良い資料だと思う。行ってみたかったな、「クウクウ」。といつも彼女の話を読んでると思う。ほんとうにすばらしいレストランだったぽいな、といつも思う。このエッセイにお店で働くスタッフとの関係も見えて、かなりよい人間関係のもと、運営できてたんだな、と思った。

 でも、ほんとうに忙しいことが分かる。ちょうどこのブログが書かれている頃は、彼女が毎日勤務を辞めたところぐらいなので、たまにお店に行く感じだが、それでも、店がすげー忙しそうなのが分かる。でも、彼女の日常生活は結構めちゃくちゃで、飲んで、朝まで起きてたり、生活習慣めちゃくちゃやんけ、と思ったが、それだけ縛られない自由な生活スタイルを彼女は好んでいるらしい。

 毎日、なにを作ったかが簡単にメモられていてそれを読むのも、面白い。なんか、家族のためにもぱぱっと料理しているのが分かる。そして、ほんとに料理が好きなんだな、と思った。

 彼女の料理のスタイルはなんというかアイデアが斬新というか、細やかなところは細やかで、大胆なとこは大胆というのが共存してる気がする。料理本とかみると、ちょっと手間かかってそうだな、と思うんだけど、こういうエッセイにちゃちゃっと書かれているレシピなんか見ると、簡単でおいしそうで、へえ、こんなもん、いれるんだ、と思うようなものが書かれている。から私はとても気に入っている。

 彼女の文章も、温かみがあるというか読んでいて気持ちが良い。

 高山なおみさんのこのエッセイのシリーズ全12巻らしい。全部読んでみよう。


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