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『めんどくさがりなきみのための文章教室』はやみねかおる著を読んで

はやみねかおる著 飛鳥新社 2020年出版

 児童書作家のはやみねかおるさんが文章を書く術を分かりやすく子供向けに書いた書物。大人である私が読んでも、手ごたえありな本だった。

 日記をつけること、好きな本を写本してみること、から始まり、気持ちを書く作文、出来事を書く作文、要約を書く本、私の気持ちを書く本、といろんな書物のあり方を説明している。

 また方法として「1つの「リンゴ」から原稿用紙5枚分の文章を書く」こととかおもしろいな、と思った。こういう訓練、小学校の時とかもっとしたかったな。こういう文章を鍛える訓練は誰もがすべしと思った。

 「自分の気持ちを知るだけで、感性は豊かになる。感性が豊かになると、自然に表現できる。」p. 95 と率直なことが書いてあったけど、こういう言葉は励みになる。

 小説が書けるようになるには、まず、心が震える、感動を超える感動という体験があるからこそ、この気持ちを他の人に分かってもらいたい、伝えたい、という熱い気持ちになる。たくさんの人と出会って、話をきいて、自分と違う体験を増やせばそういう書きたいことがみつかる、という言葉も率直で良いと思った。

 「書きかけの物語を、未完のまま放り出すと、癖になる。何がなんでも、書き上げる習慣を身につけよう。それでも書けなくなったら、「いろいろあって、みんな幸せに暮らしました」という魔法の文をつけて、終わらせよう。」とあって、笑った。なんと幸せな文末だろう。

 はやみねかおるさんの本は今まで読んだことがないが、とても愛がある児童書作家だな、とこの本読んで思った。小学校の教師として働いてて、この本に書いてあるようなことを教えていたし、自分も心がけてることをこの本に書いた、とあった。とても勉強になりました。


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