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ポートレート写真の賞味期限

最近観た写真展は写真家さんやモデルさんの集大成的な展示が多かった。たまたまだろうけど。
一番長くて22年間。
かく言うもりくまもここ5年間の集大成的な展示内容でした。

自分の話をすると、コロナ禍で以前ほど撮影に行けなくなったって事もあり、この際だから振り返りも含めて総括しようかしらってところでした。
そこら辺はちょっと前のnoteに詳しく書いてあります(やんわり宣伝)

一方で、モデルさんからはあまり古い写真は公開して欲しくないって声もちらほら耳にします。
以前は「そう言う人もいるよねー」くらいの感覚でしたが、最近、実はみんなそうなんじゃないかと思うようになった。
言わないだけで内心は「勘弁してよー」って思ってるんじゃなかろうか?

写真展なりSNSにちょっと古い写真をアップする際は一応モデルさんに確認はしています。
幸いなことに自分が撮った事のあるモデルさんは皆さん「全然良いですよー」って快諾はしてくれます。
でも本当のところはどう思ってるんでしょうね?

撮る側と写る側で意識の差はあるように思います。

撮る側からしたら、写真はある意味「作品」として価値を持ちます。
お前の写真なんか「作品」なんて呼ぶのはおこがましいやろ!って批判は甘んじて受けますが、ここでは意識の差を区別するためにあえてそう表現を使わせてください。お代官さまぁ。
話を元に戻しますと、つまりは写っているものひっくるめて一つの写真としての認識です。
場所や時間、季節や自然なんか。
そのうちの一つの要素として被写体さんがいると言う感覚です。

写る側からすると、そこにはどうしても自分が写っているわけで、「肖像」としての価値を感じているものと思われます。
例えば被写体を始めて間もない頃の拙さや、若気の至りで撮った肌の露出多めな写真なんかは、過去の自分を懐かしく見るのと同時に、他人がそれを見る事に抵抗を感じる事もあるようで、なんとなく理解もできます。

確かに、もう何年も前に撮ったポートレートだと、モデルさん自体の環境も変わっていたり、そもそも連絡が取れない場合もあります。
正直、とても気に入った写真があって、何かの折に発表したいなぁと思っても、今となっては叶わない事もあります。
たまに見返して、ちょっと現像し直したりするものの、そのままそっとお蔵入りです。

さて、賞味期限ってどれくらいの期間が妥当なんでしょうかね?
まぁ人によって違うんでしょうけど、1年くらいって考えておくと間違いはなさそうです。
花の命は短くてってやつですね。
できれば3年くらいは欲しいけど。

古い写真、つまりは賞味期限切れの写真ってどうしたら良いんでしょうね?
どこかのタイミングで断捨離するしかないんでしょうか?

と思って10年以上前の写真を見返してみたんですが、あまりの拙さにこりゃ絶対世に出せないと震え上がりました。
うん。
消すしかないね。

創るのが好きな妄想系中年。写真、旅、映画