森野熊造

創るのが好きな妄想系中年。写真を撮ること、旅、映画が好きです。

森野熊造

創るのが好きな妄想系中年。写真を撮ること、旅、映画が好きです。

最近の記事

サヨウナラ

改札を出てしばらく歩くと商店もまばらになり、典型的な私鉄沿線の住宅街になる。 さすがに12月も中旬になると夜風は冷たい。 マフラーを締めなおして首元が少し暖かくなると、深々とした夜の静けさに家々の明かりがほっこりと染み込んでくる感覚にとらわれる。 あの家の夕飯は何だろうか? きっと街では忘年パーティなんかで賑やかなんだろうなぁと思いを馳せつつ家路を急ぐ。 クリスマス、大晦日、お正月とイベント続きの日々へ向かうこの時期は、いつもちょっとソワソワ、ワクワクしたものだ。 ただちょっ

    • 蛙化現象

      「相手の些細な行動や仕草で、好きな人を嫌いになってしまう現象」なんだそうな。(本来は別の意味らしいですが) 今年の流行語大賞にノミネートされた事で初めて知りました。 主に女性がパートナーの男性に抱く現象のようです。 先日とあるお店で昼食を食べた際に、隣の席で地獄絵図を見てしまった。 我々が着席する時にはすでに若い男性がひとりで座ってました。 黒のタートルネックなんか着てちょっとお洒落した感じ? テーブルの上にはグラスビールが。 休日だったので昼間からのビールもあまり違和感

      • 君は妖怪通りを歩いたことがあるか!

        天王寺駅で高速バスを降りると秋晴れの空が広がっていた。 温暖化のせいなのか10月中旬を過ぎてもなお、うっすらと汗ばむほどの陽気だった。 ふと気が付くとヘリコプターのホバリング音が聞こえた。 それも複数機。 見上げると、報道ヘリと思しき数機のヘリコプターが旋回しているのが見えた。 何か事件か事故でも起きたのだろう。 この日、別の予定が突然キャンセルとなった。 朝には連絡を受けたものの、既に航空券は購入してチェックインまで済ませていたので、どうしたもんかと思いあぐねていた。 せ

        • 男と女のあいだには

          最近、ジェンダーレスとかルッキズムとかブロッコリーとかよく耳にします。 その思想や理念には共感するし、公平で皆が住みやすい社会になれば良いなぁ心底思います。 とは言え昭和のおじさんだから、前回の記事にあるように「バニーちゃん」なんて発言をうかつにしたりしますが。 まぁ「昭和」を免罪符にするつもりはないんだけど、ちょっとエッチな女の子は好きです(きっぱり) そろそろ終活モードなんで回顧的な記事が多くて恐縮なんだけど、老人のたわごととしてお付き合いいただきたい。 最初に入っ

        サヨウナラ

          夜に駆ける

          就職活動をまともにやらなかったおかげで、内定をもらったのは12月も中旬を過ぎた頃だったと思う。 志望してた放送局や広告代理店が軒並み不採用で、なんだかやる気を失ってダラダラしていたところ、見かねた母親が小さな新聞の求人広告を切り抜いて持ってきた。 事務所は西新橋にあるオフィスビルの1フロアで、社員30人ほどの広告会社が新卒の営業職を募集していた。 面接を受けた数日後に採用通知と入社に際して提出する書類が届いた。 母親もホッとした事だろう。 本人としても年を越さなくて良かったと

          夜に駆ける

          君は飛田新地に行ったことはあるか?

          関東に住んでいるとあまり馴染みのない地名かもしれません。 逆に知っているとなると、それ相応に人生経験を積んできたのかな?とも思います。ニヤリ。 東の吉原、西の飛田新地と言えば、なんとなくどんな場所か察しはつきますよね。 地名自体は知っていたものの、詳細についてはあまり認識していなかった。 大阪に出張した際に同僚から、眺めるだけでも行く価値はありますよ!と激しく勧められたんだけど、正直あまり興味がわかなかった。 彼曰く女の子はみんな若くて芸能人並みにかわいいんだそうな。 しか

          君は飛田新地に行ったことはあるか?

          非日常

          使用機材の到着遅れを理由に出発が遅れた搭乗便は、その影響をそのまま引き継ぐ形で15分遅れて伊丹空港に着陸した。 それは乗り継ぐ予定だった高速バスの出発時刻でもある。 電子機器の使用制限が解除されるや、すぐに代わりの経路を検索する。 元々余裕のない旅程だったので、いよいよ綱渡りを強いられる事になった。 バスにさえ乗ってしまえば京都までは1本で行かれたんだが。 調べてみると3つの路線をうまく乗り継げば、なんとか約束の時間までにたどり着ける算段はついた。 少しホッとするものの、土地

          ゆいちゃんを撮影してきました。

          初めての出会い ゆいちゃんからの手紙  を貰ったことで調子に乗って海辺のまちへ再訪してきました。 もちろん目的はゆいちゃんを撮影することです。 事前にその旨伝えるとやる気満々でした! 若いってすばらしいですね。 待ち合わせはゆいちゃんの学校。 部活終わりの時間に迎えにきてほしいとの事でした。 「マスターにおじさんに写真撮ってもらうんだって話したら会いたいって」 心地の良いお店でまた行きたいと思っていたので ちょっとお腹も空いてきたので、ゆいちゃんの勧めでしらす丼をご馳走に

          ゆいちゃんを撮影してきました。

          ゆいちゃんからの手紙

          海沿いの街。 とある食堂で出会った少女から手紙が届いた。 懐かしい思い出がよみがえる。 前略 おじさん 先日はカメラのフィルムを取り出してくれて、ありがとうございました。 なかなかカメラ屋さんに行けず遅くなりましたが、写っていた写真をお送りしますね。 おじさんが撮ってくれたマスターとの写真はとてもよく写っていて、マスターも喜んで額を買ってきてお店に飾っています。 私も大好きな写真です。 お父さんが撮ってくれた写真を見ていると、写真には写っていないのにお父さんのことを感

          ゆいちゃんからの手紙

          今から始めるAI生成講座(設定編)

          AUTOMATIC1111は機能拡張も含めてめちゃくちゃ機能があるので設定は千差万別です。 たぶんいろんなやり方もあるし、いろいろ指南されているWebもあるので、自分なりなやり方を構築していくと良いと思います。 とは言えたくさんありすぎて、どれを見たらいいかわからんって人もいると思うので、もりくまがどうしているかを披露しておきます。 【プロンプト】 画像については新たなプロンプトを入力したら、とりあえず1枚出力します。 なんか変だな、とか絵柄が破綻している場合、プロンプト

          今から始めるAI生成講座(設定編)

          今から始めるAI生成講座(導入編)

          では導入編です。 導入に関しては俺なんかより詳しい人が親切丁寧に教えてくれてるので、ここではもりくまが実際やったとおりに再現しようと思います。 やり方はいろいろありますが、一長一短あるのでまずはおススメのやり方を。 最初に断っておきますが、GoogleColabを利用するには月額1,179円かかります(2023年6月12日現在) 課金しないで使えない事はないみたいですが、警告が出たりと物騒なので、素直に課金されることをお勧めします。 どうしても無料でやりたい人は、ローカルに

          今から始めるAI生成講座(導入編)

          今から始めるAI生成講座(はじめに)

          ここ最近、にわかに生成AIが世間を騒がせていますが、なんとなくモヤモヤした感じの人も多いんじゃなかろうか?と思います。 比較的アタマの柔軟な若い層では積極的に試してみたり取り入れる向きも見受けられますが、おじさんカメラマン界隈ではあまり話題になりません。 むしろ嫌悪する意見が目につくくらいです。 わからなくもないんですけどね。 根っからのおっちょこちょいでミーハーなので、AI画像生成については割と早いタイミング(っても3月初旬だけど)で環境を導入してのめり込んだ挙句に別アカ

          今から始めるAI生成講座(はじめに)

          あなたにとっての「写真」って何?

          写真を「目的」としている人と、「手段」にしている人がいると思う。 大雑把に分けて。 誤解されたくないのであえて説明すると、「目的」派は単純に写真が好きで、良い写真が撮りたい(あるいは写りたい)ってモチベーションで活動している人たちで、「手段」派は写真そのものというよりは、写真によって得られるであろう自身の評価だったり、コミュニケーションにより承認欲求を満たす事を主眼としている人たちと考えます。 どっちが良いとか悪いとか、上とか下とかの話をしたいわけではなく、自分のポジショ

          あなたにとっての「写真」って何?

          ポートレート写真の賞味期限

          最近観た写真展は写真家さんやモデルさんの集大成的な展示が多かった。たまたまだろうけど。 一番長くて22年間。 かく言うもりくまもここ5年間の集大成的な展示内容でした。 自分の話をすると、コロナ禍で以前ほど撮影に行けなくなったって事もあり、この際だから振り返りも含めて総括しようかしらってところでした。 そこら辺はちょっと前のnoteに詳しく書いてあります(やんわり宣伝) 一方で、モデルさんからはあまり古い写真は公開して欲しくないって声もちらほら耳にします。 以前は「そう言う

          ポートレート写真の賞味期限

          しらす丼

          三浦半島の撮影スポットをロケハンした日の事。 ふとお腹がすいていることに気がつく。 どこか良い撮影スポットはないものかと夢中になって歩き回っていると、ついつい時間を忘れてしまう。 一人の気ままな散策だから、誰かに気兼ねすることなく自由に過ごせる時間は至福だ。 さて、何を食べよう? せっかくだから地のものを食べたいと思う。 ここまで来てチェーン店の牛丼では味気ないよね。 おいしいけど。 裏路地を歩いていて、ひょっこりと出くわす定食屋さんなんかあれば最高なんだけど。 バス通りを

          しらす丼

          のんポ展4 を終えて思う事

          「のんポ展4」お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。 来られなかった方も気にかけていただけたのなら嬉しいです。 そして開催場所を提供いただいたアートギャラリー道玄坂さんにも謝意を表したいと思います。 そしてそして、今回も一緒に開催してくれたのんポ展メンバーにも感謝しかありません。 昨年の12月にお誘いを受けて軽はずみに参加表明をしましたが、正直ノープランでした。 コロナ禍で活動をストップしていた事もあり最近の写真ストックはないし、タッグを組むモデルさんもいない。

          のんポ展4 を終えて思う事