Ronbun_factory

臨床研究者。論文の書き方、レビュアーとのやりとり、エディターへの持ち込み企画のやり方、…

Ronbun_factory

臨床研究者。論文の書き方、レビュアーとのやりとり、エディターへの持ち込み企画のやり方、カバーレターの書き方などのノウハウをシェアしています。

最近の記事

リスクヘッジ観点からの研究トピック選び:Part 2

Part 1 では書ききれなかった論文トピックの落とし穴の一つがサンプル数 (small sample size) で、サンプル数が少ない、もしくは少ないだろうと予想されるスタディーに手を出す場合はかなり注意が必要だと思う。 サンプル数は多い方がいい、というのは直感的にわかるのだがサンプル数が少ないのがマズい理由は多角的。 統計的なディテールは専門家にお任せするがsmall sample size の問題点はコンセプトとして: 読者の印象 「有意差無し」を解釈できない

有料
200
    • ディズニー映画RCTから考えるリスクヘッジ

      リスクヘッジの論文トピック選び Part3 です。 2020年5月11日に JAMA Network Open からザワザワした論文が出たが、そのタイトルなんと Effect of Viewing Disney Movies During Chemotherapy on Self-Reported Quality of Life Among Patients With Gynecologic Cancer - A Randomized Clinical Trial つま

      • リスクヘッジ観点からの研究トピックの選び方: Part 1

        障害物を避けることは効率化の基本だと思うのだが、臨床研究にも障害物があり、障害物まみれの「ヤバそうなプロジェクト」をトピック選びの時点で察知することはかなり重要なスキルだと思う。 そして臨床研究が破綻・泥沼化しうる落とし穴はいくらでもある。僕もハマりまくったし、失速して風化していくプロジェクトもたくさん見た。 そのような惨事をどれだけ事前に防ぐことができるか、または深入りする前にプロジェクトを切る英断を下すことができるかはPIや研究者の能力の一つだと思う。 「ヤバいプロ

        有料
        250
        • インパクトファクターは正義か

          インパクトファクターがアップデートされる時期は、前年と比べてIFが伸びたジャーナルはSNSなどで大々的に公表してエディターや査読者を称賛するのに対して、下がった場合は誰も気づかないことを願って息を潜めている感じがおもしろい。 良くも悪くも字面になりやすいし、取り合えずこの数字を言えばそのジャーナルに掲載する難しさやインパクトの様なものが伝わる。 ほとんどマウントを取るために存在する指標と言っても過言ではない。 これが僕の結論なのだが、これだけでは味気ないのでもう少し広げ

          有料
          100

        リスクヘッジ観点からの研究トピック選び:Part 2

          Reviewer response letter の書き方: Part 1

          サブミットした論文の Decision が忘れた頃に届く。 ドキドキしながら1パラグラフ目を流し読みしてまずrejectではないことを確認。 あぁよかった。 Major revision らしいがこれはいけるかも。 レビュアーのコメントを見ながらメールをスクロールしていくが 読んでも 読んでも 読んでも 終わらない。 Associate editor、安定の適当さ。 Reviewer 1、2、3、4…は、4?? Statistical reviewer,

          有料
          250

          Reviewer response letter の書き方: Part 1

          論文カバーレターは必要か

          共著者レビューが終わりボスがゴーサインを出してくれた論文を、さぁサブミットしようと意気込んだのも束の間 投稿サイトにファイルを上げる途中でカバーレターを書き忘れていたことに気付いて、意気消沈してしまったことってないだろうか。 レターを書くこと自体はそこまで大変ではないと思うのだが、エディターに向けて書くものだとやはり緊張するし、 デスクリジェクトのあるジャーナルではもしかしたら文字数あたりの地価は実はアブストラクトより高いケースもあるのではないだろうか。 なので結構一

          有料
          150

          論文カバーレターは必要か

          カバーレターの書き方

          前回の「カバーレターは必要か」では頂いたコメントから、カバーレターはデフォルトで書いた方が良いという見解が得られた。 そしてカバーレターを意図的に書かない場合がある僕はただの怠慢○タ野郎なのではないかという疑念が浮上したが 恐らくいい意味でのやつだと思う。 一応続編として、今回はカバーレターの書き方。 これはスタイルの違いがあると思うので書き方というよりは僕はこうしています、という程度のもの。というかこのブログが全てそうなのでその前提でお読みいただきたい。 僕が思う

          有料
          250

          カバーレターの書き方