福祉事業の DX ~実践状況について~
1、はじめに
DX(デジタルトランスフォーメーション)
ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという考え。
私はこれを福祉事業で取り入れるために、学びを深めています。
また、その実践の為、令和2年度、私が経営する社会福祉法人ラーフで、二つの大きなシステムを導入しました。
一つは、マイクロソフト Office 365とOneDrive です。これは、クラウドシステムなので、リモートワークが必要になった時に活躍します。それ以外にも、リモート研修、リモート会議でも活躍しています。
もう一つは、セールスフォースです。
ラーフの介護部の記録システムをデジタル化しました。
これで紙媒体の記録用紙がなくなり、各ヘルパーさんが記録用紙を事務所へ持ってくる時間が削減でき、管理者は記録用紙の整理の手間が削減しました。
2、なぜこのようなシステム導入を行ったのか?
きっかけは、やはりコロナウイルスです。
私たちの仕事は、必ず人対人のサービス業です。人対人のサービスは、すぐにデジタル化は難しい…すぐれた介護ロボットが実装するまでは。
しかし、せめて仕事の一部、事務的な作業や会議、研修、負担となる長い移動時間。これらを非接触、そして時間の短縮での効率化を行うことは可能だと考えました。
また、そうすることで、介護の専門家が専門化し、管理者は管理しやすくなり、もしもの在宅自粛期間になっても、業務を助け合うことができる。
このような思考のロジックで、動いていきました。
3、導入では、どのような状況だったか?
導入準備から導入してからのことです。
導入準備は、令和2年度6月頃からどのようなシステム、どのようなシステム展開、どのようなシステム連携をしていくかを考えるところからでした。
様々なパターンのシステムの繋がり方を想定しながら、そのベンダーさんとのやりとり…正直私たちは、エンジニア等ではありませんから、初歩的な部分からのシステム勉強は大変でした。
ようやくシステム全体の図面ができ上がり、10月頃から一つ目のシステムマイクロソフトのクラウド導入を始めました。
事務的な作業のベースとなるプラットフォーム導入とデータ保存クラウド化です。こちらは比較的はやく進み、2ヶ月ぐらいで導入…ただし、使用するほとんどのスタッフが初めてなので、使い方をはじめ、小さなトラブル満載の日々でした。
続いて二つ目のシステムのセールスフォース導入へ。
12月から、介護部で始まったプロジェクトは、システム構築を一緒にやっていくものでした。つまり、パッケージ化されているソフトではなく、0からカスタマイズができるソフトということです。
言葉に付いて行くのもやっとでしたが、丁寧に教えていただきながら、3月中旬には何とか構築しました。試験運用が少々遅れたものの、システム自体には大きなトラブルもありませんでした。
4、課題は?
今後課題となるのは、活用する側の IT 成熟度です。導入の約1年前ぐらいから定期的に法人内のスタッフには伝えてはいるものの、やはり IT が苦手な人にとっては、アカウント作成もなかなか難しかったようです。
一人一人丁寧に、出来ているかどうかの確認をとりながら、サポート、サポート、ベンダーさんからのサポートを繰り返しました。
現状では、本格的に導入してから、4ヶ月目ですが、スタッフ全員が基本的な部分はすべて使いこなせるようにレベルアップしました!
基本的な活用をできるようになったので、次は利活用できるようにレベルアップすることです。例えば、毎日蓄積されているデータベースから、見やすくレポートやグラフ化する技術。また、事業戦略に生かす発想力を向上させることです。
5、終わりに
システム活用の勉強をしていると、導入したシステムの能力の広さに驚きました。そして学びも沢山あります。福祉事業にとって、おそらくロボットや AI が主役になる時代はまだ先でしょう。人財がとても大事です。デジタルとアナログをバランスよく活用していくことが、今後必要となるでしょう。
しかし、福祉事業所で、潤沢に人財が確保できているところは正直少ないと思います。限られた人財で限られた時間の中で事業を継続する為に、一部から DX を進めることが将来の備えになるかもしれませんね。
6、お知らせ
もしよろしければ、 IT コーディネーター&社会福祉士&現役経営者の私に協力をさせてください。
https://mori2.co.jp
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