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【UI.UXの歴史:vol.2】 UIとUXの歴史を調べていたら、「人間工学」にたどりついた件について

どうも!
MoQupの原田です。

日本のUXの書籍を読んでみると、手法やプロセスは書かれていても、歴史についての記載は少なく、理解を深めるためにも、少しづつ調べてみる事にしました。

Chat GPT先生の力も借りつつ、主要なマイルストーンをUI、UXの目線を入れつつ追ってみようと思います。

今回は第2回:1950年~1960年の主要なマイルストーンをご紹介します。実はスティーブジョブズ(1955年2月24日)やビル・ゲイツ(1955年10月28日)も1950年代の生まれなんです。
コンピュータの発展と共に人生を送ってきたから背景があるからこそ、あそこまでの成功者になったわけですね。

近年のビジネス界やUI、UX界に影響を与えた偉人については詳細まで書いていこうと思います。



1950年~1960年のマイルストーン


1.当時のUI・UXの状態

2.コンピュータの進歩

3.ヒューマンファクターズの研究


1.当時のUI・UXの状態


1940年代から引き続き、1950年代でも物理的で直接的なインターフェイスが主流でした。
・パンチカードを読み込ませてプログラミング
・複数のプログラムからなる作業が処理できなかった
・バッチ処理によって、同じ処理方式のプログラムをまとめて連続的に実行
・ケーブルを差し替えて処理方法を切り替える
という、複雑な作業をごく一部の人々が行っている状態でした。

まだまだユーザーフレンドリーなUIではなく、使用者にとっても体験などはほぼ考えられていない状態でした。

本格的に改革がおきるのは、1970年代に入ってGUIが進歩を始めてからになります。

2.コンピュータの進歩


2進数法によるプログラミングの誕生

前回紹介したENIACに続き、1950年にはEDVACというコンピュータが作られました。
その特徴は、プログラム記憶方式(Stored Program)が最初に取り入れられたことです。

簡単に概要を説明すると、プログラムとデータを同じメモリーに蓄えて、処理を行うという現在のコンピュータの大元となる原理を使ったコンピュータが誕生したのです。

電気式のコンピュータを使っていると、0〜9までの10通りの数字を電気で表す必要がありそのせいでコンピュータは複雑になっていました。10進法で数を表現すると10通りの電気的な強弱を付ける必要があったのです。

1950年代にはそこが改善され、それまで10進法で処理していたものが2進法になって処理速度が劇的に上がります。

トランジスタ式コンピュータの誕生

1940年代~1950年代中盤のコンピュータは、真空管を用いたコンピュータで、使用する度に真空管が割れて、何度も交換していたそうです。
真空管は動作中に大量の熱が発生したり、かさばったりとかなり信頼性が低かったようです。

そこで、真空管を用いたコンピュータではなく、第2世代と言われる、コンピュータの主要素子にトランジスタを用いたものが誕生しました。
コンピュータ関係の素子としてトランジスタが開発されたのは 1954年のことですが、第2世代コンピュータが本格的に開発され始めたのは、1957~58年にかけてです。

この結果、真空管を使用したコンピュータと比較すると体積は約半分になり、消費電力は5%しか使用しないという大幅な小型化と性能向上が起こりました。

この頃から、IBMやDECといった米国企業が商用のコンピュータを始めて世に出し、日本でも日本電気(NEC)や日立製作所も追ってコンピュータを販売し始めました。

ここからが本格的なコンピュータの普及につながっていくんですね。

3.人間工学の発展


そして色々調べていると、「ヒューマンファクターズの研究が盛んになった」という見慣れない文字が。。
何かな?と思って調べてみると、「人間工学」の事でした。学問として存在している事は知っているけど、、と特に期待もせずに人間工学について調べてみると、

「あれ?これUXの事言ってない?」と。

1950年代というよりも当時最先端の学問であった、「人間工学」が戦後に発展をつづけた事がUXの基盤になっているのではないかと思うようになりました。

人間工学とは何か?をひらたく言うと

「人間の特性を考慮した工業製品の設計開発の考え方や方法論で、ユーザーのニーズや制約を考慮した製品設計を行う事」であり、

人間の特性を考えてプロダクトを作るための学問です。
まさに人間の感情を重視する、今のUXデザインの原型に近いものではないでしょうか??

1950年以前にも「人間工学」は存在していましたが、主に心理学や教育にのみ使われていました。それが1945年の終戦後に開花していきます。

1920年代に、「人間工学」の語は、工学教育や産業心理学の分野で使われていたが、これが "human factor eingineering" として開花するのは第二次大戦後のことである。第二次大戦中、空軍戦闘機のコックピットの設計問題が契機となり、人間の能力に機械や作業環境などを適合させるための研究がすすみ、戦後、機械設計やシステム設計の学として人間工学は成熟することとなる。

Wikipediaより転載

具体的に人間工学がどんなものかというと、

「ヒューマンファクターズ」または「エルゴノミクス」と呼ばれ、人間の能力、限界、特性を理解し、その情報を製品、システム、環境の設計に適用するための学問分野です。ヒューマンファクターズは、ユーザーの安全、効率、快適性を最大化することを目的としています。

と、実用性のみを考えられていたコンピュータなどのプロダクトに対して、製品化するには人間自体を知る必要がある。と考えた学問なのです。

人間工学の主な考え方は、3つの特性を知る事から始まり、

身体的特性
これには、身体の大きさ、形、強さ、運動範囲などの人間の身体的特性が含まれます。例えば、椅子やデスク、ツールの設計には、多くの人々が快適に使用できるようにこれらの特性が考慮されるべきです。
認知特性
人間の知覚、注意、記憶、推論などの認知的プロセスを理解することで、情報の提示やインターフェイスの設計が最適化されます。例えば、警告音やカラーコード、ラベルの配置などは、人間の認知プロセスに合わせてデザインされる必要があります。
環境特性
温度、照明、騒音レベルなどの環境要因も人間のパフォーマンスや快適性に影響を与えます。適切な照明や適切な温度設定は、労働者の生産性や安全性を向上させることができます。

それを元に人を組み込んだシステムを設計するというプロセスが踏まれます。 人間がシステムの一部として動作する場合、そのシステムは人間の能力や限界に合わせて設計される必要があります。
そのためには、適切なフィードバックの提供やエラーの許容、インターフェイスの設計など人とプロダクトをつなぐ「インターフェイス」が必要になるわけです。

すごくUX的な考え方に近いと思いませんか??


まとめ


次回は1960年~1970年のお話しです。

マウスの登場!
グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI)の研究が進む!

とようやく一般の人々にむけて、「汎用化」が始まっていきます。

1960年代以降、パーソナルコンピュータの登場と普及により、より多くの人々がコンピュータと直接的にインタラクトするようになり、UIとUXの重要性が増していきました。

その辺りを中心に記事を書いていきます!
それではまた次の記事でお会いしましょう!

皆様の良きデザインライフを!

今までの記事はこちら


【UI.UXの歴史:vol.1】 UIとUXの歴史を調べようと思ったら、コンピュータの発明まで遡らされた件について。


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