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キンドルのある生活

タイトルで大体わかるけど、キンドルを買った。カナダに住み始めて早3年。バンクーバーの図書館には日本の本があるから、足しげく通い大好きな西加奈子さんの本を毎月のように借りた。西さんは昔何度か読んだことがあって、円卓とか黄色いぞうとか、その当時はなんだかファンタジーとノベルの融合というか、不思議な本を書く人だなぁと思っていた。でもありがちなんだけど、サラバ!を読んでmind-blowing というか、すっごい衝撃を受けてこんなに繊細な心情を小説で書けるんやという、ていうか今までこの感情って私の内部にしかないと思っていたけど西さんが言語化してくれて、うわ!これ解る人おるんや!て思ってたのに結局直木賞受賞して、「え?こんなに多くの人がこの感情持ってたん」というダブルの衝撃を受けた。

 その後に、舞台という青年がNYを旅する小説を読んだのだがこれも人間失格的な羞恥心フィロソフィーが含まれていて、うわ、わかるわぁというなんだか心の一部を読まれたような、何とも言えない感情になった。これも私の大切な一冊である。

だが西さんの本は図書館でも人気がある+蔵書数が少ないのでありつけないことも多々あった。そんな時はオーストラリア人におすすめされた村上本を読んだりした。あと、バンクーバーの日系ミュージアムには古本屋があって古本市のたびにまとめてそこで本を買っていた。基本的には寄付された本だから自分の欲しい本があるとは限らない。私はスラムダンクが大好きなので、この間古本市でリアルを見つけ、大人買いしたがどうしても12巻だけ見つからなかった。だから12巻以外買った。

そして、三月中旬コロナで日系ミュージアムもバンクーバー図書館も閉鎖された。だから遂に!ついに!買ってしまったキンドルを。ベストバイで買ったら次の日に届いたよ。ちなみにオーダーした次の日に別色が発売されて悲しかった。今、一か月Kindle Unlimitedを試している。今まで読むことの無かったビジネス書とか、How to本が読めるのは結構楽しいのでそういった類の本が好きな人には持ってこいのシステムだと思う。ただ私はどちらかと言うと小説やエッセイが好きなので、アンリミテッドは続けないかなぁと思っている。

気に入っている部分は、ライトが目に優しいから寝室で読めること、防水なので気にせずお風呂で読めること、外で読むときに反射しないところ。そして日本の本が読めるところ!最高。
デメリットを挙げるとしたら、反応が遅い。ゲームボーイを使っているような気分になる。ただその懐かしい感覚にさえ愛着がわくというか、、、ただスマホもiPadも持っているのに本だけに特化したキンドルを買うっていうのはまた不思議な感覚。時代に逆行している感覚。あえてガラケーを買うみたいな。

そして一昨日、ずっと読みたかったToni Morrisonを読もうと思ってアマゾンで検索すると、日本語版がキンドル化されていない。ただ、英語版は1000円で買える。今までにも村上春樹の英語版とか、洋書を読もうと何度か努力したが、そのたびに挫折した。ただ電子書籍の良いところは、読みながら解らない単語があればその場で調べることができるところ。なのでここは思い切って英語版を買ってみた。やってやろうじゃないか、と。本が自動ダウンロードされ開くと、

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少し見にくいが、なんということでしょう!難しいであろう単語に既に説明がついている(消すことももちろん可能)匠のこだわりが発揮されている。じゃないけど、めちゃめちゃ画期的やし、英語の勉強にもなるし、これ、めっちゃええやん!!!と大満足してそっとその画面を閉じ、他の日本語の本を読み始めた。

でもこれ本当にありがたい機能でした。頑張って読みます。

あ!あと!西加奈子さんの本は一冊もキンドル化していなかった。
ちなみに西さん今バンクーバーに住まれているんですって。もしお会いできたらキンドル化してくださいってジャンピング土下座で頼もうと思っている。私ももちろん紙の本大好きなんですけどね、のっぴきならない事情がございまして。「拝啓アマゾン様 西加奈子さんの書籍をキンドル化してください」とたまにツイートもしてみてるけどまだこの声は届いていないみたいだ。

とりあえず、キンドルおすすめですという話でした。

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