皆さん、こんにちは。
MOONSHOT WORKS株式会社代表の藤塚洋介です。
このページでは、バリューチェーン分析の基礎から実践的な活用方法、デジタル化の影響まで、図解や事例を交えて分かりやすく解説します。
新規事業に関係があるの?と思う方も多いかもしれませんが、実はアイデア出しにすごく使える分析手法なのです。
自社の強み・弱みを理解し、競争優位性を高めるための実践的なヒントを見つけてくださいね。
実はよくわかっていないという方は基本編にバリューチェーンの基本や事例を掲載しました。
ある程度知っている、新規事業で使いたいという方は次の記事に書く実践編を読んでみてくださいね。
バリューチェーン分析の基本
バリューチェーンとは?
バリューチェーンとは、企業が製品やサービスを顧客に提供するまでの全活動を網羅した一連の流れです。
原材料の調達から、製造、販売、アフターサービスまで、顧客に価値を提供するすべてのプロセスが含まれます。図解で示すと、主要活動と支援活動が繋がり、最終的に顧客価値を生み出す流れが視覚的に理解できます。
バリューチェーン分析を行うことで、各活動の価値貢献とコスト構造を明確にし、ビジネスモデルの全体像を把握、強化点や改善点を特定できます。
構成要素の解説
バリューチェーンは「主要活動」と「支援活動」の2つの要素で構成されます。
主要活動は製品・サービスの物理的な流れに関わる活動で、購買、製造、出荷、マーケティング・販売、サービスが含まれます。
支援活動は主要活動を支え、企業インフラストラクチャ、人事管理、技術開発、調達などです。
以下に図解や事例を用いて、各活動の具体的な内容を解説します。
バリューチェーンの構成要素:詳細と図解
バリューチェーンは、主要活動と支援活動の2つのカテゴリに分類されます。それぞれが相互に関連し合い、企業全体の価値創造プロセスを形成しています。
主要活動
主要活動は、製品やサービスの物理的な作成、販売、そしてアフターサービスに関わる活動です。
支援活動
支援活動は主要活動を支える基盤となる活動です。
企業インフラストラクチャ (Firm Infrastructure): 企業全体の経営管理、財務管理、法務などを含む、企業活動を支える基盤となる活動です。
バリューチェーン全体の図:
主要活動と支援活動がどのように連携し、顧客に価値を届けているかを示す全体図を配置することで、より理解が深まります。各活動の繋がりを明確に示し、最終的に顧客価値に繋がることを視覚化することが重要です。
このように、図解と具体的な事例を組み合わせることで、バリューチェーンの各構成要素とその役割をより分かりやすく理解することができます。それぞれの活動がどのように価値創造に貢献しているかを理解することは、企業の競争優位性を高める上で非常に重要です。
バリューチェーンとサプライチェーンの違い
バリューチェーンは自社内での価値創造プロセスに着目する一方、サプライチェーンは複数の企業を跨いでの製品・サービスの流れに着目します。サプライチェーンは、複数の企業のバリューチェーンが連結したものです。全体最適化のためには、両者の連携が不可欠です。
バリューチェーン分析のステップ(実践編)
ステップ1: 対象範囲の明確化
分析対象(特定の製品、サービス、事業単位など)と分析目的(コスト削減、差別化、新製品開発など)を明確に定義します。
ステップ2: 各活動のコスト分析
ABC分析(活動基準原価計算)やプロセス分析を用いて、各活動にどれだけの費用がかかっているかを分析し、コストドライバーを特定します。
ステップ3: 強みと弱みの評価
SWOT分析やベンチマーキングを活用し、競合他社と比較することで自社の競争優位性を分析します。
価値創出への貢献度、コスト効率、顧客満足度などを評価基準として用います。
バリューチェーン分析のメリット
経営資源の最適化
バリューチェーン分析により、強み・弱み、機会・脅威を把握することで、経営資源(人材、資金、設備など)を最適に配分できます。強みへの投資、弱みの改善、アウトソーシングの検討などを効果的に行うことができます。
競争優位性の構築
バリューチェーン全体の最適化を通じて、コスト優位性(低価格戦略)や差別化優位性(高付加価値戦略)を築き、競争力を高めることができます。最終的には、顧客に提供する価値を高め、市場での成功へと繋げます。
バリューチェーン分析の実践事例
ここでは、様々な業界の企業がどのようにバリューチェーン分析を活用し、競争優位性を築いているのか、具体的な事例を通して見ていきましょう。
スターバックス:高品質な顧客体験の提供
スターバックスは、差別化戦略を軸にバリューチェーンを構築し、高品質な顧客体験を提供することでプレミアム価格を実現しています。
IKEA:低価格戦略の実現
IKEAは、コストリーダーシップ戦略を軸にバリューチェーンを構築し、徹底的なコスト削減によって低価格を実現しています。
トヨタ自動車(製造業):効率的な生産体制
トヨタ自動車は、「ジャスト・イン・タイム」方式を核とした効率的な生産体制を構築し、高品質な自動車を競争力のある価格で提供しています。
セールスフォース(IT企業):技術革新による価値創出
セールスフォースは、クラウドコンピューティング技術を活用したCRMソフトウェアを提供し、顧客に新たな価値を提供することで高い収益性を実現しています。
リッツ・カールトン(サービス業):卓越した顧客体験
リッツ・カールトンは、「クレド」と呼ばれるサービス哲学に基づき、従業員一人ひとりが顧客に最高のサービスを提供することで、高いブランドロイヤルティを築いています。
これらの事例は、それぞれの企業が異なる戦略に基づき、バリューチェーンを最適化することで競争優位性を築いていることを示しています。
自社のビジネスモデルや戦略に合わせて、バリューチェーンのどの活動を強化すべきかを分析することが重要です。
いかがでしたか?次の<実践編>では高度な活用方法、新規事業での使い方、チェックリストやQAなど、実践する為のより具体的な手法を書いていきますのでお楽しみに!