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伝えきれないプロモーション

商品が売れなかった時、振り返りを行うとある傾向が出てきます。
営業部門からは製品の競争力と価格設定が課題だという意見が出る一方、開発部門は売るべき販路に入らなかったことと販促で充分に製品の魅力が伝えきれていなかったという意見が出ます。
営業部門が今ある競争関係に対して勝てるものを求めるのに対して、開発部門は少しでも新しい競争原理を作ろうとする為、このようなギャップが出てくるのです。

製品が弱いかどうかは仕様比較で分かります。
価格は仕様の差異と合わせれば妥当性が見えます。
販路は計画した販路と導入率で振り返りができます。
販促だけは定量的な振り返りができません。
だから困った時には、もっと良い販促で製品の魅力が伝えきれていれば売れるはずだった、という他責が生まれてしまいます。

さて、ここで考えたいのは「伝えきれなかった」の持つ言い訳についてです。

「良さが伝わらなかった」
「魅力を伝えきれなかった」
と振り返る時に考えたいのは、その伝えるべき良さや魅力は言語化されていたのかどうかです。
極端な話ですが、魅力を完全に言語化できていたのであれば販促が失敗するということはありません。
少なくとも量の不足はあっても質の不足はありません。
伝わり切らないのは、伝えるべき言葉が明確になっていないからと考えるべきです。
自分たちでも魅力が言語化できていないから、写真や色使いや動画や音楽に頼った先送りをすることでどうにか誤魔化そうとしてしまいます。
明確化しないままの先送りだから、あと工程で魅力が増すことはありません。

伝わり切らなかった、それは伝えるべき言葉が曖昧な状態によって生まれます。
プロモーションの失敗ではなく、商品企画の失敗の先送りにすぎないのです。

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