ブランディングは心理戦
世は大•ものあまり時代。
多くの技術がコモディティ化し、複雑な構造のPCですら製造工場に委託生産することで新規参入ができてしまいます。
技術のハードルがなくなり、参入障壁が低くなれば当然競争は激化します。
そこで追い始めるのがブランドです。
老舗企業は一定の認知を得てブランドとして認知されていますが、新規参入者にはそれがありません。
どうやってブランドを作るか、それを食い扶持にするコンサルタントやデザイナーも多くいます。
ブランドを作る、ブランディングをする、ブランドが立つ、言い方は色々ありますが意味は同じで、独自のものとして認知•選択されることです。
ブランドを作るのに必要な独自性とはなんでしょう。
価格でしょうか。
後発参入する時に競合の価格を潜るのはよくある選択ですが、ブランドにはなりません。
最も安い競合が出ればその座を奪われるからです。
身を削る争いにならないようにすれば似た価格で横並びになってしまいます。
では機能でしょうか。
ものづくりに秀でたメーカーは新しい機能を用いて独自性を築こうとしますが、機能でもブランドは立ちません。
例え機能で差別化して認知を得ても、そこから成長していくには機能の存在がいずれ足を引っ張ります。
大事なのは顧客の側、顧客の気持ち、つまりは心理戦です。
価格も機能も並だけど売れている、差別化もないのに支持される、それは4Pによって織り成された心理戦の結果です。
ブランドとしてきっちり認知されるにはリピーターが必要です。
価格が安いだけであれば顧客はすぐにスイッチしますし、機能もその時によって求めることが変わるかもしれません。
なんとなくいい、安心感がある、共感できる、愛着が湧く、これらは全て心理的な作用の成すものです。
人の心というものは曖昧で、複雑な情報処理をしているようでも、結論は計算結果ではなく曖昧なブラックボックスから出てきます。
ブランドを考えるとき、どんなメッセージを伝えたいかを考えてしまいますが、それではメーカー側の独りよがり、TVコマーシャルをガンガン流すのと変わりません。
真に考えるべきことは顧客にどんな心理的作用を与えたいかなのです。
その根源に少しずつメッセージを載せていくことなのです。
ブランディングは心理戦です。
見た目や価格、機能に踊らされないようにしましょう。
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