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引いてもダメなら引いてみな

マーケティングにおける販促手法はプッシュ型とプル型に大分されます。
購買意欲の低い顧客に対して、商品を押し付けるようにして買う気にさせるのがプッシュ戦略です。
販売員による店頭説明、値引き、キャンペーンなど、次々とお得感を伝えて購入まで踏み切らせる力技です。

一方のプル戦略は顧客を引き付ける取り組みを行います。
コマーシャルやSNSによるプロモーションなど、その商品を買う目的で売り場に誘引させる搦手の技です。

プル型で引き寄せ、プッシュ型で刈り取る、この流れが基本と言えます。

そうは言っても広告予算なんて取れるものじゃない、そう思う方もいるかもしれません。
広告予算を割かない企業の多くはプッシュ型を得意としている傾向があります。
つまりは値引きです。
安くすれば売れる、売れるまで安くする、売れた価格が適正価格なのでその価格に合わせる。
プッシュ戦略の極み、と言うよりもある種の暴力のようなものです。
魅力を高めるのではなく、妥協ラインまでハードルを下げるのですから。

そんな時には少し計算してみてください。
利益300円の商品を100円引いて従来の2倍売れたとしましょう。
従来は一万個売れて300万円の利益、100円引いて二万個売れて400万円の利益。
倍の数を動かしても3割しか利益が増えないのです。
だったら目減りする200万円の内の半分を広告宣伝に充てたらどうでしょう。
値段を下げて買ってくれるのは売り場に来た人だけですが、広告宣伝は売り場に来る人を増やしてくれる効果があります。
値引きを続ければ安売りの会社と見られますが、広告宣伝を続ければ馴染みのある会社に変わっていきます。

値段を引くくらいなら、プル型戦略をとってはいかがでしょう。
引いてダメなら、別の引き方を。

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