見出し画像

打ち上げ花火とプロモーション

商品企画の成功と失敗を分ける要因に販促活動があります。
製品が良くても、販路に展開しても、場合によっては価格を下げたとしても、認知施策である販促が充分でなければ売れることはありません。
知らないものは買えない。
これが商売の大原則だからです。

SNSの普及以来、販促の得意不得意で業績への影響が大きくなりました。
販促が上手ければ高くても売れるし、販促が上手ければ製品の競争力が多少低くても売れます。
そして認知度が高く、売れていれば販路拡大も容易です。

販促の得意な会社を見ながら不得意な会社が頑張ろうとすると、簡単な落とし穴にはまります。
それを私は勝手に打ち上げ花火と呼んでいます。

都会では花火大会の頻度が限られるため、ある程度いつどこで開催されているか知られていますが、地方では小さな花火大会がそこかしこで開かれます。
花火の音を聞いて大会が開かれるのだと知ることも多々あります。
小さな大会であれば、気付けば始まっていたり、大きな花火の音を聞いても、次の花火までの間が長くて興味を失ったりします。
予算が少ない為に始まりが分からなかったり、次が続かなかったりするのです。

販促施策も同様です。
発売と同時に芸能人とテレビ局を読んでイベントを開催しても、一部の芸能人ファンと翌日のワイドショウの十数秒に顔を出すだけです。
そのタイミングを見逃せば後には何も残りません。
まさに初弾に最大サイズの打ち上げ花火を使うのと同じ状況です。

最初は興味を持ってもらうこと、興味を持った人が継続的に目を向けてもらうこと、その為にはスターマインのような一つ一つは弱くても、繋がる施策がなければなりません。
発売発表で少し記事が出た、記事を受けてSNSで少し話題になった、バス停のポスターで見かけた、そんな一つ一つの影響力は小さいものでも、積み重ねが重要になってきます。
最大限10のリソースを最初に10で出して終わるのではなく、3×3×2×2で小分けにして繋げれば36の効果になります。
プロモーションは単発の大きな花火ではなく、小さくても繋がり続けることが大事なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?