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価格を追うか、戦略から逃げるか

マーケティング•ミックスは商品の強みを考える上でも有効です。
製品自体の仕様が優れているのか、価格が競合よりも安いのか、新規に参入しにくい販路を押さえているのか、独自の販促が顧客を囲い込んでいるのか。
これは競争地位に関しても同様です。
リーダーは製品に優れ、販路と販促を押さえ、価格も主導権を持っています。
それに対してチャレンジャーは幾つかの点で劣ります。
逆にニッチャーは価格以外のある点に特化することで局所的にリーダーを上回ります。
フォロワーは残念ながら価格以外で強みを発揮することはありません。

フォロワーが唯一力を発揮できる価格について、価格戦略という言葉があります。
経営資源に乏しいフォロワーが唯一選択できるものですが、これが必ずしも戦術という言葉に相応しいとは限りません。

フォロワーの価格戦略、それは売れているリーダーやチャレンジャーの製品の価格破壊です。
価格破壊というと聞こえがいいかもしれませんが、適正な利益や品質を諦めた叩き売りになるのが現実です。
同じものを仕入れている限り、市場を席巻している競合より効率よく仕入れることはできません。
機能、仕様、品質面を見直して、妥協できるラインまで下げつつ、更に自社の投資と収益を減らすからこそ競争できるのです。
下げるだけの一方通行は戦略と言えるでしょうか。
環境を見ながら上げたり下げたりするから、戦況を見極め、戦術を変えるからこその戦略です。
同じ方針を無心に続けること、値下げや叩き売りだけで戦おうとすることは価格を追うのではなく戦略から逃げていると言ってもいいでしょう。

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