見出し画像

心が揺れるようなKiwi女性との出会い

人生において、
いつも格好いい背中を見せてくれる人生のお姉さんのような素敵な女性が、
私の周りには有難いことに数人います。

そんなうちの1人と、ニュージーランドで出会えた。

私が働くカフェには、Anna(アナ)というKiwiの女性がいて
彼女の存在は私にとっても不思議で、
いつも心が揺れるような、
そして美しい気持ちになるので、
ここに書き留めておきたいと思った。

彼女はずっと歳上で、心の美しさが外側へ滲み出て輝いている、まさにキラキラした女性。
週に3回、朝のシフトで一緒になることが多く、
彼女を知るたびにどんどん彼女の魅力に惹き込まれている私。


ホスピタリティの業界で働いていると、
なかなか忙しい時間に追われて他人にきつくあたってしまう人や、
少し尖った人間性の人が多いなぁと、やっぱり外国に来ても思う。
日本でもホスピタリティに関わる仕事をしていて、そう感じた経験はあったけれど(もちろん私自身もそうだったと思う)、
それはニュージーランドでも同じ。
忙しさや体力を消耗するお仕事は、時に自分の心をも疲弊させてしまう。
やはりそれだけ大変ということ。


だけれどAnnaは少し違う。
ホスピタリティ業界にはたまに、仕事面でも、人間性においても素晴らしくプロフェッショナルな人が存在するけれど、
Annaはまさにそんな人。

ニュージーランドでは珍しい、お客さん第一に考える、本当にプロフェッショナルな接客をするところが最初にびっくりした私の印象。

こちらでは店員とお客さんの立場が、日本よりも平等に近い。
だから、初めてアナのお客さんへの真摯な対応を見た時に、すぐに「この人は違う」と
尊敬しました。

そして私が大好きな彼女の魅力は、
常に笑顔でハッピーなところ。そして、チャーミング。

お客さんに対してはもちろん、
一同僚である私にも
「Thank you Miku」
「you are doing very well」

と、何一つ否定せず、「ありがとう」と常に感謝の気持ちを表すところが大好き。


私がどんなにグダグダなラテアートを作っても
Beautiful darling」(綺麗よ、ダーリン)
と毎回声をかけてくれるところも、本当に救われている。


彼女は常に笑顔で、時に熱唱しながら洗い物をしていたり、
お客さんとも本当によく喋るし、
そんなお客さんもみんな笑顔で帰っていくし、
たまにスコーンをヒーターに置きながら焦がしてしまったり、
そんな彼女でも珍しくお皿を割ってしまったときには、
聞いたこともないような鬼のような低い声で
「うおおおおお」と叫ぶもんだから
周りをいつも笑顔にする。


彼女の魅力はいつも自然体なこと。

いつも飾らず正直で、
わたしはいつも彼女に対して
🥹こんな顔にいつもなっている。


私はあるとき差別を受けた事があった。
レジを担当していると、ラッシュ帯に忙しくなってきて一瞬でレジに長蛇の列が。
毎朝7時台に起こる、いつものこと。なんてことない朝だったのに。

突然1人のマネージャーが私をレジから下ろした。
理由を聞くと
「空港を管理しているさらに上のマネージャーが、ネイティブスピーカー以外はレジを担当させないように。」との指令をした事があった。
もう耳が痛いのでそのマネージャーからの指示は聞きたくない。
またそのマネージャーが来るかもしれないから、
念の為降りて、とのこと。

私の英語力云々で降ろされるならまだマシ。
けれどそのマネージャーは、自分の保身のために私をレジから下ろし、その結果私の心を深く傷つけていることを気付いてもいないようだった。

私は全く納得できず、これまで上手くやれている自信もあったのでとてもショックで、泣きそうに。でも動揺して何も言えなかった。

そこでアナが
It made me so angry」(それは違う)と職場で初めて、彼女が怒りを表しているのを見た。

悔しくて、でも何も言えなかった私の分までアナは怒り、私に対して
「あなたは本当にとってもよくやっているのに、私はマネージャーの判断が許せない。
あれは人種差別。私は支持しない。」

I’m by your side.(大丈夫。私はあなたの味方だから。)」

と言ってくれた。


彼女はその後、マネージャーと直々に、
「私はあの判断は違うと思う」
としっかりと、そして強い口調で、長い間話し合っていた。

その時の彼女の目は、しっかり鋭くて、
いつもニコニコ歌いながら仕事をする彼女の中には、やっぱりちゃんと芯がある強い女性が存在していることを改めて感じた。

物恐じせずあそこまでハッキリと強く自分の意見を、しかも他人のために戦ってくれる人って今までいなかった。
自分のボスに楯突くなんて、
日本では考えられない事。


マネージャーと長らく話した後、アナから
「マネージャーには1週間猶予を与えて、プレッシャーを与えてくる空港のボスにどう対応していくかを考えたほうがいい」と伝えたことと、
「ミクや他のインターナショナルな子たちに対しても、もっと平等に仕事を割与えるように。」
と伝えたとのことでした。
You are doing very good, sweatheart.
(あなたは本当にうまくやっているんだから)

と言ってくれた。


今まで経験したことのないような感情を味わい、感動と動揺、感謝と尊敬の色んな感情が混じったあの日の出来事は一生忘れない。


そんな彼女は1ヶ月仕事を空けることに。

「ミク、実は次に会うのは1ヶ月後なの」
とちょっと悲しげに打ち明けられ、人生の半ばで助産師の勉強している彼女はオーストラリアへ研修に行くのだそう。

素敵だな〜という気持ちと、1ヶ月とはいえちょっぴり寂しい気持ちに。

そんなときアナが突然、「ミクはこれから何をしていきたいの?😊」と聞いてきた。


「ニュージーランドに定住したい。そのためにITの仕事を探そうと思ってる。難しいかもだけど」と伝えると、彼女からびっくりするような嬉しい言葉が。


ミク、あなたはまさにGOOD TO PEOPLEな人。どんなところへ行っても、あなたなら大丈夫よ」と。


なんだか感動して涙が出そうになってしまった。


心から、「それはあなただよ!!!」と
声を大にして言いたい。


彼女と出会えたのは本当にラッキーだった。

「こんな女性になりたいな」と目の前でカッコいい背中を見せてくれる女性が近くにいることって、本当にこの職場を選んでよかったと思える大きな理由の一つ。




まさに彼女の存在は私にとって「Admire」(尊敬を超えた崇拝)のような存在です。

出会えてよかった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?