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Kiwiの愛すべき時間感覚

自分に優しい人は人に優しいと言います。
逆に、
自分に厳しい人は人にも厳しい。

私は前者がニュージーランド人で、
後者が日本人だと思っている。


こっちに来てから、”キウイタイム”(NZの時間感覚)にたくさん翻弄されてきた私だけれど、
それが逆に今、居心地が良いものになりつつある。


日本にいた頃、時間という概念も一つのストレスの原因だった。
特に仕事で10時から客先でミーティングがあるとなると、余裕を持って30分前には周辺に着くようにして、最遅でも5分前には相手先をノックしていた。


いまそれをこっちでやると、
「ごめんまだ用意できてないから待って」
と言われて門前払いされるか、
長年ニュージーランドに住んでいる日本人の方にすら、「ぴったりやなぁ笑」と苦笑いされたり。

5分前行動=迷惑
のような認識をされることがある。笑


そんな私は日本にいる時から友達にクズ、と言われたこともあるくらい時間感覚が苦手で、

友達との飲みは大体「後で合流する」だったし、
そもそもゆっくり過ごすことが好きだったし、

予定のために数時間前から準備をしなきゃいけないことに心から納得できていない人間でした。


でもこっちに来てから、飛行機やバス、タクシー、学校の先生でさえもオンタイムに来ないゆるい国民性に大分救われている。


そしてみんな遅れてくる人を責めない!


空港からホテルまでのタクシーが予約時間になってもあまりにもこないので、空港でマックを買っていたらタクシーの運転手さんが空港の中まで探しに来たことがあった。

「タクシー待ってる日本人?」

とガタイのいい強面のお兄さんにマックを買ってることがバレて、

終わったと思ったけれど、次の瞬間

「ちゃんとチーズバーガー買ったか?」
「俺はチーズバーガーが1番だと思ってる」
「お腹空いてるだろうから冷めないうちに車で食べな」

と言って私の荷物を是分運んでくれて、
車でマックまで食べさせてくれた人もいた。


こういうところ。


相手に怒ったり、責めたり、
なんで遅れるの? 何考えてるんだ!
とかない。


ただフェリーが2時間も遅れた時は相当私もイライラした。
数十分ならわかる。
でも、2時間は長すぎやろ!と。
次にバスの乗り換え予約があったのに、乗務員たちは呑気におしゃべり。

バス会社に待ってもらえるか連絡したが、「うーん、その時にならないとわからない。また連絡して」
とか言われて。
「確認するから数秒待って」と言われたことが
10分は保留で待った。


日本人感覚の私は1人だけ焦っていて、
先の見えない不安で、今日のホテルどうしよう、とか考えている。


でも乗客はみんな穏やかで、平気でフィッシュアンドチップス食べてる。

やっと動き出した頃には、誰も船長を責めることなく、拍手喝采で出発した。

「焦ってもどうしようもないでしょ。楽しも。」
って感覚。
このおおらかな感じ。

フェリーが到着する頃、バスの時間に遅れているということを乗り組み員に伝えると、1番先におろしてくれて、その後の乗り換えのバスも40分以上も私1人のために待っててくれた。

バスの運転手さんは、
「Are you ミク?」
「待ってたよー!」と笑顔で言ってくれた時は感動で心が震えた。


ニュージーランドに来て、私の張りつめていた心はちょっとずつ解放されていってる。

オンタイムに進むことはもちろん望ましいけれど、遅れていることにいちいち騒がない。
誰も責めないし、むしろ動いてくれてありがとう、な感覚。
相手にも優しく、そして自分にも優しく。

結局自分が穏やかでいることが、周りにも伝染して相乗効果を生み出すもの。
イライラしていたり、不安に思うのも伝染する。
日本にいた時、必要以上に電車や人混みでキリキリしていたのも、みんなのイライラが蔓延していたんだろうなと思う。


国際的な大会社、ニュージーランド航空でさえも、
「客室乗務員が渋滞に巻き込まれたので出発が遅れます」とかざらにある。
しかも国際線で。

そんなびっくりなことも毎日起こるけれど、
私にはニュージーランドの方が居心地が良い。

必要以上にオンタイムで動くことは、必ずしも必要とは限らない。
そして、相手にオンタイムを求めることも、とってもSelfishな行為なのでは、と思う。
大事なのは、相手を思いやること。

相手をおもいやってオンタイムで動けるように努力することも大事。
そしてオンタイムじゃなくても、笑っていいよ〜!って言える思いやりも大事。


今日もゆるくいこう〜!



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