漫画「大奥」感想（完結作品を語る! #372）
｢大奥｣(よしながふみ)
連載期間 2004年～2021年（MELODY）
昼でも夜でも、おはようございます！音楽家のhiro’です。
・hiro’と漫画
高校在学時に1000冊近く持っていて、その後は漫画喫茶（ネットカフェ）で読む日々で、現在も100近い連載中の作品を追いかけています。
「大奥」は、歴史改変SFマンガ！
全19巻。LINEマンガとネカフェで読みました。
映画化、ドラマ化、アニメ化もした人気作。大作です！
日本には江戸時代、江戸城に大奥という場所があったわけです。
端的に言えば、将軍が子供・世継ぎを作る為に異性を囲っていた場所ですね。
そして、
今作は熊の中に潜んでいたウィルスによる流行り病で若い男性が死んでいき女性の4分の1程になっている世界です。それにより女性が将軍となり、大奥には男性が集められているわけです。
そこで行われる営み。それを大きなスケールで描いています。
一見、あり得ない話のようでいて私を含めた読者を引き込み感動させるのは、作品の強度みたいなものが圧倒的だからでしょう！
八代将軍吉宗の頃から始まり、途中で三代家光の頃からの長い回想シーンに入るのも完璧です。
ちなみに、
人間の多面さを描いていて、誰かを単純に愛すことも憎むことも難しいということを。
さらに、
一人を深掘りするだけでなく、将軍であったり・正室であったり・側室であったり、様々な人の視点で物語が綴られるので、誰かの正義で見ず知らずの誰かが傷つくようなこともあり生きることの罪深さを、感じさせてくれます。
いや～、
作者の性的嗜好が垣間見えることもありつつも、基本的には男女というものを・狂おしいほどの愛情というものをこれでもかと読者にぶつけてくるんです！
愛しさと切なさと、心が揺れます！
あとですね。
各徳川将軍を描いていくわけですが、時間経過とともに登場人物は将軍以外も変わっていくわけです。
毒などでの暗殺がありまくりだったり、現在ではちょっとしたことでもすぐに死刑にしたりもしますし。
だから、
推しキャラが出来ても作品内でずっと活躍できるわけではないんです。
それなのに次から次に魅力的なキャラとドラマを生み出していて凄すぎます！
個人的な推しは、平賀源内。
ということで、
歴史マンガ・特殊なSFマンガが好きな人に、実写化・アニメ化したものだけ見て原作を読んでいない人に、
愛や性や差別というものを今一度考えてみようという人にもオススメです！
・終わり方について
徳川幕府が終わり新政府になり、大奥もなくなることに。
花見の場面などが印象的に描かれ、時は流れラストへと。
大奥で見聞きしたことは誰にも言ってはいけないという話を冒頭にしていたわけですが、留学に向かう小さな女の子が会話の中で主要キャラである胤篤に「男性をサポートするため学ぶ」と言うと、「女性でも国を動かせる」と微笑んだ後で、かつて女性が将軍だったと独り言のようにこっそり語り、物語は幕を閉じます。
多くのことを考えさせる良い終わり方でした。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
「大奥」を読んだことがない人はよかったら読んでみてください。
完結済マンガについては、動画でも語っていますので是非こちらも御覧ください↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_jdbW5Bz5KltANE26MreYasFwOccSouU
hiro’
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