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わかる授業 と 学ぶ授業

先日,公開授業に参加しました.算数の授業です.
その協議会で,「わかる」と「学ぶ」の違いについて話題になりました.

「わかる」は,物事を理解するということ.
今回の授業の中であれば,算数の課題の解決の方法や解答がわかるということ.

「学ぶ」は,課題を解決しようとするプロセスの中で,できることやできないこと,わかっていることやわかっていないことを明らかにして,考えていくこと.

例えば,上のような捉え方をしたとします.

すると,「わかる授業」は,一定のゴールが決まっていて,そこに向かって進む様子がイメージできます.
「学ぶ授業」は,紆余曲折しながら,試行錯誤する様子がイメージできます.

協議会では,いずれの授業イメージも大切だね,という話になりました.
そして違いは,獲得に重きを置くか,過程に重きを置くか,という議論になりました.

一斉一律の授業では,もしかすると「わかる」を目指す授業スタイルが多いかもしれません.みんなが「わかる」ように,みんなで「わかる」ようにする教師の説明・指示・発問の技術が求められます.

その一方,「学ぶ」授業は,一筋縄にはいきません.なにせ子供の学びの過程は一人一人異なるので,獲得するゴールは同じでも,そこに向かう方法は自分なりに見出していく必要があるからです.教師は,個々が学びの道筋を見出していけるような環境デザインをする力が求められます.

みんなを「わかる」状態にするのであれば,きっと,先生の子供に考えさせる技術の高さが協議会の話題になります.
みんなが「学ぶ」状態をデザインするのであれば,きっと,先生が子供に何を,どの時期に,どの順番で,どのように身に付けさせていたのかが協議会の話題になります.

「学ぶ」って,本当はどういう姿なんだろう,と,改めて考える協議会になりました.


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