26★しずくの四国旅行記~③台風の中の宿探し~
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四万十川の朝は大雨だった。次の台風が四国に上陸するらしい。でも全く不安なんてなく、どちらかと言えば楽しみで仕方なかった。持参したゴアテックスのカッパを着込み、ユースにさよならを告げる。沈下橋は昨日にまして沈みかけている。
2日目のこの日も昨日につづきランチはおうどん!この旅でとにかく何軒のうどん屋に行けるか、そんなチャレンジが知らぬ間にわたしたちの中で始まっていた。セルフでうどん玉を茹でお椀にいれ、出汁をかけ、好みの天ぷらを乗せる。1玉も3玉も同じ値段!わたしたちはうどんすすりながら、観光本を開き作戦会議をした。
近くに渓谷があるから行ってみよう!とたえぽんが言った。渓谷につながる山道の入り口に原付を停め、荷物は全て残して渓谷を目指して歩く。5分も行くと滝の音が聞こえてくる、というかさっきから聞こえていたが、雨音で気づいてなかった。
しずく「もう(雨で)濡れてるし入ろっかな!」
たえぽん「え?本気?」
し「本気やでぇーーー!」
(洋服にカッパのまんま滝のある川に飛び込むしずく!)
気持ちいい~この滝行なに?!笑 今おもえばこの時からわたしは雨に濡れるのが大好き。濡れること気にしなくていい状況なら、雨に濡れたい!(←この時もすでに顔髪濡れてたし、スニーカーも水陸両用スポーツタイプ、寒くもないので平気) リズムよく落ちる雫に少しずつしっとりしていく感覚がなんとも落ち着く~。
今日の宿はあしずりユースホステスにしようと決めた。台風が近づいてきて天気は大荒れ、本当に雨がひどい。体はカッパがあるが手の甲に雨が打ち付け続けるせいで痛痒くなってきた。わたしたちはスーパーに立ち寄り、キッチン用のゴム手袋を買った。たえぽんはピンク、わたしはエメラルドグリーン。巨大リュックを背負い、カッパとキッチン手袋を装備した、大阪ナンバーの原付は怪しい!怪しすぎる!でもそんな怪しい旅人も優しく包み込むのが四国、お遍路の聖地なのだ!旅人に優しい四国最高、大好き!
長いトンネルを抜けたあと、宿毛の当たりからユースに電話しておくことにした。トゥルルル、トゥルルル♪出ない。何度かけても電話に出ない。当てにしていたユースホステル。恐らく台風接近で閉鎖しているのだろう、、、しかし、この辺りにもう宿はない。どんどん風が強くなる。辺りは暗くなり始める。
しずく「やばい。どうしよっか」
たえぽん「マジヤバイな」
し「今18時やん?この雨の中、今から宇和島まで向かう?60km以上あるで」
た「行くしかないわな」
し「マジかー。そっちもしまってたらどうしよ」
た「一回電話かけとこか、、、」
うわじまユースホステルは電話に出てくれた。神様~仏様~!!到着が遅くなることを伝える。予想外の展開に私たちは先を急いだ、、、
雨が激しすぎてトンネルの中はまるで極楽。トンネル内の退避場所で少し水分を取ったり、体を伸ばしたりして休憩した。この日はトータルで100キロ以上走っている。原付にまたがるとまた肩を小さくしてひたすら前だけを見てハンドルを握る。何この修行?泣きそうなんですけど笑
ユースに到着したのは20時頃。食堂で夕飯を済ませお風呂に入る。原付で一日中雨に打たれながら100キロ以上の移動。2日目にして疲労困憊。渓谷ではしゃいでた数時間前が夢のようだ。翌日の計画も立てぬまま、またしても私たちは二段ベッドで気絶してしまった。
うわじまユースホステル
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つづく⏬