【怪談実話115】河童の行列
一九八〇年代、当時小学三年か四年だった陽子さんが、鹿児島の父親の田舎に一家で帰省した時のことだ。その際、父親の実家とは別の家宅に車で連れて行かれた。
「父は、子供の頃にその家の屋根裏を探検しては怒鳴られたと言って笑っていました。でも、それが親族の家なのか他人の家なのか何の説明もなかったんです。田舎の人って、いっつもこうなんですよ」
しんと静まり返った田舎の夜道をひたすら車で進み、その家に到着したのは真夜中だった。茅葺き屋根を有する大きな日本家屋。そんな造りの民家は今まで見