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取材した怪談

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私が取材した心霊的・不可思議現象の話です。
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2020年1月の記事一覧

【実話怪談3】足羽山(福井)

福井県福井市に小高くそびえる「足羽(あすわ)山」。 市街地の南西に位置する標高116メートルの山である。山上の足羽山公園は桜の名所で、敷地内には神社、古墳群、動物園などの施設があり、市民の憩いの場となっている。 30代会社員の陽平さんより伺った話。 2008年のある日、当時10代の陽平さんは足羽山の山道を夜間ランニングしていた。 走っている自分の横で、スッと女性が並走してくる気配を捉えた。 その直後。 女性は確かに目に映るのだが、走っているわけではないことを理解す

【実話怪談2】狐憑き

「狐に憑かれたことがあるんです」 30代の経営者・真由美さんは、静かに口を開いた。 5年ほど前、職場からほど近いx神社へ参拝に行ったそうである。 その日以降、全身に激しい倦怠感を覚え、それが2週間ほど続いた。病院に行って診察を受けたが、特に異状は見られなかった。 さらに、それまで良好だった社内の人間関係も悪化しはじめる。 そんな折、霊視のできる知人Aとたまさか会う機会があった。開口一番、こう指摘される。 「憑いてる。狐が。どこか変な場所行ったでしょう」 「x神社ってとこ

【実話怪談1】「本音」

ある怪談師の方がファストフード店で怪談本(怖い話、不思議な話を集めた本)を読んでいたところ、頭上の照明ランプが、ぱりん、と小さな音を立てて割れた、というエピソードを聞いた。 私も、怪談本に纏わる不思議な体験をしたことがある。 2019年9月の中頃だったと思う。私は怪談の文庫本を5~6冊ほど、枕元に積んで置いていた。 夜寝ていると、枕元のほうから何か音が聞こえてくるので目が覚めた。 ばさばさばさ、ばさばさばさ。 ばさばさばさ、ばさばさばさ。 怪談本が置いてるところか