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林檎飴 裕介side3

凛子…彼氏いたのかよ…

昨日、林檎飴渡した時にウッカリ告らなくて良かった。

てかさぁ、告る前に失恋決定かよ…

やってらんねぇわ。

俺は、ため息をつきながら自宅に戻るとジムへ行く準備をして外出した。

気分が落ちた時は、鍛えるに限る!

こんな事言うと脳筋って言われそうだけど、部屋でウダウダ考えて悩むより、体を動かす方が健康的だからな。

ジムへの移動中も、軽く走りながら気持ちを上げていく。

そもそも、俺は凛子の事いいと思って眺めてただけで好かれるようなアプローチはしてこなかったわけだから仕方がないんだ。

どちらかと言えば、ウザ絡みしていたかもしれないからなぁ…

裕介は、恋愛に関してはアマノジャクになってしまう傾向があるのだ。

今度好きな子が出来たらストレートにアプローチする!

それしかない!

裕介は心に誓いながら、毎日のように通っているスポーツジムへ入っていく。

「おはようございます!裕介さん!」

「おはよう!

今朝は、ひなちゃんが受付かぁ。

俺、ラッキーだわ、朝からひなちゃんの笑顔が見れるなんて!

ひなちゃんって休みいつなの?

今度飲みに行こうよ」

「もう!

裕介さんったら、

ひなの事、本気で誘ってないでしょ?

私、気軽に誘われる女だと思ってるならお断りですからね!

ロッカーの鍵どうぞ!」

「いやぁ~ひなちゃんの事、軽い女だなんて思ってないよ!

ひなちゃんが可愛いいから誘いたくなっちゃうんだよ…

これも、男のサガってヤツ!」

「可愛いって言えば許されると思ってるんですか?

じゃあ帰りに、この地下にあるカフェで季節のフルーツタルトとカモミールティーをテイクアウトして来てくださいね?

私、お昼で上がりなんでジムのラウンジで話す位ならおつき合いしますよ?」

「マジ?

ひなちゃんがラウンジでお茶してくれるなら何でもテイクアウトしてくるよ!

…って、その前に鍛えてくるわ!

じゃあ、後でね」

ジムの受付のひなちゃんは程々に可愛くて、アタマの回転も早く、何を言っても上手くかわしてくれるので裕介は安心して軽口が叩けるのだ。

大樹が目撃したイケメンをすっかり彼氏だと勘違いした裕介は、失恋気分に浸る間もなく、次の恋に向け頑張る事にしたのだろうか?

ちょっとお気に入りの子なら気軽に誘えるクセに…

本命は、中々誘えない。

何故かって…

断られた時がショックだからに決まっているじゃないか!

だからといって見てるだけだと、横から誰かに持ってかれるんだよ…

俺には、ひなちゃんみたいに上手にかけ引きしてくれる女の子の方が良いのかもなぁ。

凛子は、感情が表に出ないから好かれてるのか、嫌われてるのかも分からなかったんだよなぁ…

男性用更衣室に入り、着替えながら裕介は頭の中のモヤモヤを整理している。

モヤモヤは、動いてたっぷり汗でもかいてスッキリさせよう!

Tシャツとハーフパンツに着替えた裕介は、トレーニングルームに入ってストレッチを始めた。

裕介は、凛子への想いを断ち切る事が出来るのだろうか?

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