記憶の癖

変なことを覚えていてしまう癖がある。

たとえば、中学3年の12/28のお昼に食べたのは、地元のスーパーのチョコパンとココアだったとか。高校の入学式前、着替え途中にハンガーを踏んで割って痛かったなあ、とか。何が何でも覚えてやる、と血眼になっているわけではなく、自然と、ささいな瞬間が記憶に刻まれることがある。

もちろん、特別なことがあったとか、忘れたくない大切なことだったとかなら問答無用で記憶に刻まれる。けれど、そうではない、変な一瞬は、どういうルールで長期記憶化されるのだろう。不思議だ。

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そういえば、私はめちゃくちゃ夢を見る。しかもリアルな夢ばかり。名前もうろ覚えな小学校時代の同級生が出てきたり、幼少期と大人のシーンが混ざり合っていたり。いろいろな時系列で出会った人たちと、めちゃくちゃ会議している日もある。よく、自分の寝言で起きる。
夢を見るのが記憶を整理している時間なのだとしたら、記憶量が多すぎて現場がパニックになっているのかもしれないなと思う。ディレクターを雇ったほうがいいかもしれない。夢の進行管理ディレクター。意味合いがちがう……?

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潜在的に、忘れたくない、という思いが強いのだろうか。それがふと発動した瞬間、出来事が長期記憶として保存されるのかもしれない。真相は脳のみぞ知る。

ただ、忘れたくないと自覚した瞬間のことは、できるだけ覚えていたいと思う。限りある人生のなかで、それはとても美しい瞬間だと思うから。できるだけ純度の高いまま残したくて、いつかの自分に伝えたくて、ああ、そうか、だから日記を書くのかもしれないな。

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仕事でいろいろなことを習ったときも、忘れないか不安で、とにかくメモをとる。でも時々、読めんメモが出てくる。あちゃ…と思うけれど、忘れまいとしたことは意外と脳に残っている。ありがとう脳、と思う。
あまりメモしなかった取材でも、ノートの筆跡の感じから、内容を鮮明に思い出せることがある。時々、レコーダーに音声が録音できていなかった場合を想像する。「大丈夫ですよ、ここ(頭を人差し指で指す)に入ってますから…」とほくそ笑む想像をしたところで、不安になりすぎて予備のレコーダーアプリを起動する。

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こんなにつらつらと記憶力の話をしておいて、今日の昼に食べたものを思い出せなかったりする。パスワードは一瞬で忘れたりする。脳の癖って不思議です。何度目かのパスワードリセット。

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