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書きかけの小説

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頭の中にぼんやりと浮かんでいるだけの状態で書いた習作や、書きたまっていない小説の保管箱。もし、これ続きが読みたい、というのがあればリクエスト下さい。善処(絶対に書くとは言えないと… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

作られた勇者、生み出された悪魔 第5話 おやつは幾らまでですか?

作られた勇者、生み出された悪魔 第5話 おやつは幾らまでですか?

 勇者養成学校における生徒の評価は定期試験が全てではない。様々な機会が用意されており、その時の活躍も最終評価に影響を与える。実際は定期試験よりも重要視されており、何度かそういった機会を重ねていく中で脱落していく生徒が増え、自然と学年の首席は決まっていくものなのだ。
 そうであることは生徒たちも分かっている。だからその機会、学校行事とされているその機会を万全の状態で迎えようと、それぞれが様々な努力を

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作られた勇者、生み出された悪魔 第4話:運命はきっかけに過ぎない

作られた勇者、生み出された悪魔 第4話:運命はきっかけに過ぎない

 クレタ王女の説得、というより強制、によりアイアスと行動を共にすることになったベリアル。実際のところ、それ自体は悪いことではない。ベリアルが見た限り、学年どころか全校の中でもアイアスは一番の実力者。その能力だけで考えれば、この年代における勇者の最有力候補だ。勇者の補佐役を希望しているベリアルにとっては望むところのはずだ。
 だがベリアルはそれをまったく喜んでいない。もともと学校に入学すること自体、

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作られた勇者、生み出された悪魔 第3話:暁の騎士団=ナイツ・オブ・ドーンって……

作られた勇者、生み出された悪魔 第3話:暁の騎士団=ナイツ・オブ・ドーンって……

 ベリアルの席の周りに人が集まるようになっている。ベリアルが望んでのことではない。彼は自分の席に座っているだけなのに、寄ってくる生徒がいるのだ。アイアスとコリンの二人だ。ベリアルが無視を決め込んでいても二人には関係ない。勝手に二人で話をしていると思えば、いきなりベリアルに話を振ってくる。無視していても何度も何度も。結果、二人のしつこさに負けて、ベリアルも嫌々ながら会話に加わることになる。
 その二

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