見出し画像

頭でっかちにならないための、情報との付き合い方

未知のものへの探求心と、幼少期からの読書習慣で培った語彙力のおかげで、情報収集は得意だった。

どの単語で、どの媒体で検索をかければ自分の求めている情報を得やすいのか。誰にでも当たり前にできると思っていた情報収集が自分の強みのひとつだと気付いたのは、ここ数年のこと。

持ち前の好奇心の強さも相まって、知識の幅も広かった私は、たくさんの情報を知っていることはよいことだと思っていた。

情報を持っていれば、会話になんとなくでもついていけるし、話を広げるような質問をして場を盛り上げることもできる。こうして「たくさんの情報を知っていること」の価値は自分のなかでどんどん高くなっていった。

だから「情報をインプットしすぎているんじゃない?」と言われたときは、思考が一時停止するくらい驚いた。

「知識で頭でっかちになっているから、フットワークが重くなっているんじゃない?情報が溢れている社会で、なにを信じるかが難しいけれど、全部聞いていたらガチガチになって動けないよ。」

ではどこまで調べたらよいですかと質問すると、アドバイスをくれた方は続けてこう言った。

まずはフラットな情報を調べて、それを元に自分で体験しながら情報を集めてみたらどうかな、と

就職活動にたとえてみよう。
フラットな情報は会社の基本情報だ。具体的にいうと、事業内容や社内制度、年間休日数や平均勤続年数などすでに決まっている情報や数値のこと。

それとは別で、個人や職業紹介サイトが発信している情報がある。「この業界にいけば将来安泰です」とか「平均勤続年数が低い会社はやめとけ」とか一見ありがたくみえる情報のことだ。

前者のフラットな情報は会社を知るための基本情報として、インプットしてもよい。ただし後者の情報は取扱注意だ。なぜなら、ひとつのものさしで会社のあれこれがわかるはずもないから。

平均勤続年数にしても、スタートアップ企業と大企業とでは事情は全く異なる。スタートアップ企業では会社のフェーズが変わると必要な人材も変わるから、社員ががらりと変わることも珍しくはないのだ。それをヤバい会社認定して、敬遠するのはどうにももったいない気がする。

それに、大切にしたいものはそれぞれだ。スピード感がなく成長が感じられないという元社員の口コミも、給与よりも余裕をもって自分のペースで働きたい人にとっては相性がよい。

***

結局は得たデータをどう解釈するかを、自分で考えて決めることが大切みたいだ。やみくもに情報を集めても、自分の軸と周りの軸とがぐちゃぐちゃになって動けなくなってしまう

それにしても、自分が経験したことがある分野だと「これはオーバーに言っているな」と情報を一蹴りできるのに、未知な分野だと全部が正しく思えてしまうから、情報の受け止め方も難しい。

いくら情報収集が得意だといっても、侮ることなかれ。
・情報がすべて正しく絶対的なものだと思わないこと。
・自分が見て聞いて感じた情報が一番信用できること。
・自分が何のためにその情報を検索しているのかという目的に立ち返ること。

この3つは頭の片隅においておこう。