見出し画像

国際芸術祭あいち2022_愛知芸術文化センター

概要、チケットなど

7月30日に開幕した「STILL ALIVE 国際芸術祭あいち2022」に出かけてきました。この芸術祭は愛知県の4つのエリアで開催されていますが、まずはメイン会場である愛知芸術文化センターに出かけました。

チケットは会期中何回でも有効なフリーパス(一般3,000円 学生1,700円
)、1日限り有効な1DAYパス(一般1,800円 学生1,200円)があります。ナイスなのは、最初1DAYパスを買っておいても会期中に追加料金を払えばフリーパスにアップグレードできること。私は何度来場できるかまだわからないんので、とりあえず1DAYパスを買いました。

受付でもらえるパンフレットによると、愛知芸術文化センターだけでも60アーティストが出展しています。なかなかの物量。ちょっと気合を入れて入場します。

芸術祭テーマ”STILL ALIVE”は、愛知県出身の現代美術家である河原温が、「I AM STILL ALIVE」と記した電報を1970年代以降の30年間、世界各地の友人知人に約900通送った”作品”に由来するとのこと。メイン会場の展示も、まずはこの河原温の作品から始まっていました(※これらは撮影禁止でした。展示作品には撮影可のものと禁止のものがあり、キャプションとともに掲示されています。このnoteの中で使用した写真はいずれも撮影可のもののみです)。

展示作品はいずれもゆったりと十分な空間をとり、各アーティストの作品をしっかり見せる形になっています。また、見ていて気づくのは、アーティストの選定の幅広さ。世界32か国から、また世代的にも現在進行形で活躍中のアーティストから死去したアーティストまで、時空を超えて選定されています。

絵画、インスタレーション、映像作品など表現形態は様々ですが、映像作品は一点を見るのに時間がかかるので、全てをしっかり鑑賞しようとすればこの会場だけでも最低3〜4時間程度は必要かと思います。

印象に残った作品

撮影OKだったものの中で、印象に残った作品をいくつか。

中央の白い丸っこい物体が、ゆーーーーっくり動きます。スローに移動する彫刻。
<ロバート・ブリア>
障子、ドア、シャッターなど「境界」となる装置、明かり、それらの意味を少しずつずらしてゆく物質を設置した、舞台装置のようなインスタレーション。<笹本 晃>
毎週日曜日の空を描いたドローイングに、コロナ禍でのパーソナルな生活と心情を飾らないテキストで綴った、日記のようなシリーズ。(部分)<バイロン・キム>
目から光線を発しながら戦う猫たち。(部分)<岸本 清子>

撮影不可だった映像作品にも見るべき作品が多かったです。ぜひ、じっくり時間をとって観賞することをおすすめします。(個人的な意見ですが、現代美術の映像作品の展示室って、なぜ十分な数のイスが用意されていないことが多いのかな。結果してかなりの長時間を立ち見で観賞することになり、かなり体力を消耗します…)

全体的な印象

メイン会場を一通り見終えて思ったのは、あらゆる意味で「シリアス」だということでした。
この時代を反映してキュレーションされた展覧会である以上、いま現在世界で起きている状況ーーコロナ禍、戦争、移民問題、差別、自然災害など、社会の痛みや歪みに由来する表現となることは避けられません。
その中で「I AM STILL ALIVE」と発信するポジティブさという側面もあるのでしょうが、やはり全体としてはシリアスで深く重いトーンとなることは必定です。今、表現するべきテーマに正面から取り組み、直球を投げてくる作品群。見応えがありますが、同時に見る側もエネルギーを消耗することは間違いありません。ゆったりした時間配分で、歩きやすい靴で、そしてできれば元気なときに(メンタルのコンディションを整えて)出かけることをおすすめします。


<STILL ALIVE 国際芸術祭あいち2022> 
会期:2022年7月30日〜10月10日
愛知県下の複数会場にて開催





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?