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台湾と日本の小さな架け橋

 台湾から生まれたゲームやデザインの事をご存知ですか?

 申し遅れました、台湾中文と日本語の翻訳をさせて頂いております、です。
 生まれは台湾なので、林と書いても「はやし」ではなく「りん」と読みます。
 そう、りんと読みますけど、ネットに通じての仕事依頼が多かったので、案外ハンドルネームの方が通ってたりします。

 で、冒頭の発言に戻りますが、学生時代から始まり、かれこれ十年近くは日本語を使う仕事をしてきました。

 最初は芸術作品の説明文やプロフィールの翻訳、自分がオタクなのがきっかけとなったのか、今ではゲーム(パソコンゲーム、ボードゲーム含む)の翻訳がメインとなっています。
 また、外国語を長時間使って喋るのが苦にならない事で、台湾の観光案内ガイドだったり、イベント会場の通訳だったり、販売ありのイベントだとそのまま売り子になる事もしばしば。

 そうして仕事で日本語を使う度に分かる事があるのですが、実は私たちは自分が思ってるより自分の生まれ育った場所以外の事は知らないのです。

 なんなら悲しいかな、台湾の事をそもそも知らなかった方々もいます。

 最初に気づいたのが東京のイベント会場で「へー、ここ中国(のブース)なんだ」と言われた時でした。
 中国から来てませんし、台湾文化が入ってる作品だから、誤解させたままではいけないと思い、その方たちに話をかけてみたら、こう言われました。

えっ、中国語使ったら中国ってわけじゃねえの?

 凄く驚きました。驚きましたが、自分たちは台湾から来た事と、作品は台湾文化をテーマにする物のある事を説明しました。
 その時は単純に「勘違いさせたら良くない」と思っただけでしたが、後に冷静に考えてみると、もしかしたら、多くの日本の方は台湾の事を知らない、中国語の事だけ知ってるのかもしれません

 だから、中国語使ってる=中国、という方程式が出来たのかもしれませんの。

 実際中国語と言われても、漢文化から発展し続けた『繁體中文』や『簡体中文』、更に『広東語』のような外来語を混ぜ込む中国語もあります。
 もちろん中国語にも地域や国文化から発展した方言がありますが、台湾だとそこまでの種類は使われませんので、今回は割愛します。

 で、中国語種類が方言を抜きにしても複数存在している事で、もしかしたら察しが付く方がいらっしゃるかもしれませんが、実は中国語は色んな国で使われます
 中国語を母語として使う場所は中国、台湾、新加坡(シンガポール)、香港、澳門(マカオ)などがあります。
 また、母語は中国語ではないけど、漢民族の移民がいるから中国語が通じる地域が出来たり、仕事の為中国語を覚えて商売する人が多い国もどんどん増えています。馬来西亜(マレーシア)や緬甸(ミャンマー)、タイとかアメリカとかでも、中国語が使える場所はあります。中国以外にも沢山あります。

 そして、中国語が使える場所の中から私は、私たち台湾の人は、必死に台湾の事を知って貰おうと頑張り続けています。

 台湾の名産品を使った食品も、台湾文化をテーマに作った創作も、違う文化を取り入れるも台湾制作と誇れる作品たちも沢山あります。
 それを作る彼らは自分の名前だけでなく、自分が生きるこの台湾にも誇りを持って、生産者と創作者の皆さんは真剣に作っています。
 こうして沢山の良い製品、良い作品が生まれました。そうすると、今度は台湾の中だけでなく、自信を持って海外の人にもオススメしたい

 その時に、翻訳、通訳の仕事がやってきます。

 私は通訳と翻訳者です。
 良い商品を作る事は出来ませんが、その良さが海外の方々にも分かるように、違う言語で説明する事は出来ます

 私は良い作品を作る人ではないのですが、良い作品を伝える人でありたい、そう居続けたいと思います。

 二つ以上の言語を扱う、扱える事で、一つの勘違いで大事故が起こり得る事を心に銘じながら、私は本気で他者の言葉と向き合います。
 意味が伝わるように、気持ちが通じるように、私は私の言葉で違う言語を繋げます

 願わくば、私の仕事で、私の言葉で、日本と台湾を繋げて、沢山の方々が台湾を知りますように。台湾の人が日本の方々と仲良くなれますように。

#私の仕事


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