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自分の心に従う勇気―切迫早産で入院からの転院で感じたこと―


妊娠28週、切迫早産で突然の入院

前回のnoteを書いてから約2ヶ月、私は今妊娠35週を目前に控えています。

この約2ヶ月、心も体も変化の多い日々を過ごしていました。

妊娠29週目前のある夜、少量の出血がありかかりつけの産婦人科に緊急受診した結果、出血は問題なかったものの子宮頸管長が短く切迫早産ということでそのまま緊急入院を言い渡されました。

突然の入院で状況も把握できておらず気持ちも追いついていない中、副作用の強いリトドリンという点滴の投与と同時に私の入院生活がはじまったのです。

かかりつけの病院はNICUがなく36週からしか分娩ができない病院のため、最低でも34週、おそらく36週までの長期入院になると告げられました。

体もメンタルもボロボロになった入院生活


入院した夜は、突然の入院のストレスや早産の不安、そしてリトドリンの副作用である動悸と震え、さらに元々の逆流性食道炎の症状も強くなりほぼ一睡もできず…。

元々嘔吐恐怖症で15年くらい吐いていなかったので、夜中の吐き気はすごくつらかった(泣)

翌朝、吐き気から嘔吐してしまったのですが、その際かなりのパニック状態となりかなりトラウマとなってしまいました…。

ストレスや嘔吐への恐怖、食欲不振、逆流性食道炎、動悸や息苦しさ、リトドリンの副作用、点滴の差し替えやエラー音の煩わしさ、大部屋のストレス(途中で個室に移動できてよかった…)、一部のスタッフへのイライラや不信感、早産への不安、夕方から夜にかけての不安感や焦燥感など最初の1週間ほどはとにかく辛い日々で涙も止まらずメンタルもボロボロでした。

今振り返ってもよく乗り越えたな、と思うほどもともと豆腐メンタル(笑)の私にはストレスフルな環境だったと思います。
夫の面会時間と、夫や母と電話する時間が心の支えでした。

頭に浮かんだ、転院という選択肢

入院から1週間ほどたち、体調やストレスは相変わらずなものの、入院生活にも少し慣れてきた私は病院の切迫早産に対する治療方針に疑問と不信感を抱きはじめます。

自分なりに切迫早産の治療やリトドリンの副作用リスク、この自由がなくストレスフルな長期入院を本当に続ける必要があるのか調べ、「リトドリンの長期投与が切迫早産の予防に効果的であるエビデンスはほぼないものの、たしかに今の病院の医療体制ならこの治療方針が1番リスクが低い」ことはわかりました。

でも、他の病院ならどうだろう??

調べを進める中で、欧米ではリトドリンの長期投与という治療は一般的ではないこと、日本でも一部ではあるがNICUなど設備が整った病院でショートトコライシス(リトドリンの効果は48時間に限られるというエビデンスがあるため、胎児の成熟を促すステロイドを投与・効果が発現するまでの48時間子宮収縮抑制薬を点滴投与するやり方)を実施していることを知り、そこではじめて転院という選択肢を思いつくのです。

自分の心に従う勇気と行動力が未来を変える

最初に頭をよぎったのは、このまま長期入院していた方がお腹の赤ちゃんのためには安全なのではないか、私が我慢すればいいのではないか、私が自分の体へのリスクや入院のストレスから転院してもし赤ちゃんに何かあったら私の責任なのではないか、ということです。

入院中、スタッフに何回も言われた「赤ちゃんのために頑張ろう」「赤ちゃんを守れるのは、お母さんだけだよ」という言葉の数々。

もちろん、正論だと思います。
でも、自分の母性や赤ちゃんへの思いといった精神論だけでこの不安やストレスを我慢することが、本当に「私」にとっていいことなのだろうか。

医師やスタッフがこう言ってるとか、一般的にはこの治療が主流とかではなく、「私は本当はどうしたいのか」自分の本音や心の感覚と徹底的に向き合いました。

私が出した結論は、「私は、私の心と体が1番大切だし、自分の心に従って選択し、行動したい」「今の治療を続けることは心にも体にも負担であるから転院したい」でした。

気持ちが固まってからも無事転院できるのか不安でいっぱいでしたが、夫とともにリサーチを重ね、転院する計画を実行に移しました。

自分たちの意思を主治医に伝え、入院から約2週間で退院・点滴オフし、転院先の新しい病院での診察の結果無事に転院することができたのです。

その後も再入院になる可能性はあったものの、新しい病院では点滴も内服もなしの外来管理となり無事に自宅に帰ることができました。

駆け足での経緯説明になりましたが、この経験から「自分の心に従う勇気と思考を止めずに知識をいかして行動することが未来を変える」ことを身をもって実感しました。

そして私は、精神的肉体的に自由であることが何より大切だという価値観を持っていることも分かりました。

入院生活はかなり辛いものでしたが、自分軸で決断した経験は「私は私を幸せにできる」という大きな自信につながったので、結果的には私の人生において意味のある出来事になったと思います。

退院してからも、不安は尽きないけれど

なんだか大げさな話になりましたが笑、退院してからは入院中との環境や治療方針の違いに戸惑いましたし、なかなか元の生活やメンタルに戻れませんでした。

少しお腹が張ると早産に脅え、逆流性食道炎は治らないし吐くことへのトラウマもあり食後の動悸もあるから食欲も戻らず、体重は妊娠前より減り続け…。
「転院せず入院したままのほうが良かったんじゃないか」と落ち込んだり。

でも前回のnoteでも書いたように、夫や母、姉、保健センターの保健師、カウンセラーなど信頼できる人たちに相談したりたくさん話して頼って、とにかく不安をひとりで抱え込まないように感情を我慢しないようにして過ごしています。

妊娠してからはじめたものとしては、AwarefyというAIと会話できるアプリはマインドフルネスや認知行動療法を実践できるのでセルフケアに効果的で、カウンセリングはcotreeの書くカウンセリングが思考や感情の整理におすすめです。

あと、少しでも不安なら病院に電話して助産師に相談の上緊急受診したり、医師にも助産師にもなんでも話しています(対応は人によりけりですが💦)。

そうする中で、少しずつ不安感をおぼえる頻度が減ってきて、安心してリラックスして過ごしたり、読書や映画鑑賞など好きなことを楽しめる時間が増えてきました。

今までは自分が今不安を抱えていることしか考えられなかったのが、ここ数日は赤ちゃんの名前やお世話のしかたを調べたり、産後の未来に意識が向いてきて思考が前向きになってきた感覚もあります。

もちろん不安や緊張が0になったわけではなく、逆流性食道炎と食後の動悸で満足に食べられず自分の体重は妊娠前より落ちているし、出産や産後のことなど、他にも不安は尽きないです。

でも、幸いにも赤ちゃんは順調に育っていて、肺機能が完成するという35週を目前に控え、出産という1つのゴールに向け気持ちが整ってきた感じがします。

また、体調が悪くなったり不安感に襲われても、薬を飲んだり周りに相談するなど「対処できた」成功体験を重ねることで、「体調が悪くなっても何とか対処できるだろう」「不安感があってもそれに支配されずに気持ちのコントロールができるだろう」と自分の心や体をだんだん信じられるようになってきました。
 
出産まであと約1ヶ月。1週間1週間、1日1日、自分の体調と上手く折り合いをつけて、心と体を労りながらリラックスして過ごしていきたいと思います。

長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました🙏✨







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