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生まれる。


「シャーーーーー」
という規則的な音が窓の外から聞こえる。工事の音?水浴びの音?と思い、窓を開けて、セミの鳴き声であることに気づく。何故かこれを二回も繰り返した。数時間後、また「シャー」という音の正体が気になり窓を開けた。さっきも確認したのに。また蝉だった。いつから鳴き始めたのか分からない。暑さが続く日のどこかで一斉に鳴き始めた。

期日前投票に行った。政治なんてよく分からないし、高校生の頃は現代社会の授業がとても苦手だった。今でもお金のことは難しくて分からないと思ってしまうが、それでも賛成か反対か、判断できる内容が少しは増えた。

帰宅後、大学時代からの友だちの出産報告を受けた。とても朗らかな気持ちになった。雨が降ることの多い7月7日に、雨が降らない今年の七夕を選んで産まれて来たあの子は、きっとラッキーベイビーだ。

Netflixで「ヒヤマケンタロウの妊娠」という8話完結のドラマを観た。男性妊夫の内容だ。帝王切開での出産後、「父子ともに元気です」という台詞が印象的だった。

先日結婚式に参加した際に頂いたギフトカタログを眺めた。カタログの中には、チャリティーという項目もあり募金ができるものもあった。普段食べられないものにしようか、それとも実用的なモノにしようか。数日間悩んでいたが、友だちの出産報告と先程のドラマの影響からチャリティーにすることにした。募金先は、日本産科婦人科学会だ。


金原ひとみのお気に入りの作品のひとつに『マザーズ』がある。結婚、出産をして経験した女性の負の面がリアルに書かれているのが特徴で、キラキラしたところをあえて描かないところに惹かれた。

23時にもなると、蝉の鳴き声は止んだ。窓を開けるとぬるい風がもわっと漂う。

夜空には無数の星が連なるように生まれているだろうか。残り30分の七夕の夜に願う。




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