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【完全習得学習とは】

マスタリーラーニング。ベンジャミンブルームが提唱した。学習者の一人一人に適切な学習方法や学習課題の提示を行えば、クラスの大部分の学習者に、その教科を完全にマスターさせることができるという学習理論。

この理論は、『3つの評価』が肝となる。
→診断的評価:学習前に行う。学習者の学力・知識を把握する。
→形成的評価:学習過程で行う。テスト、ワークシートなど。
→総括的評価:単元や学期終了時に学習目標を達成できたか確認する。単元テストなど。

学習の過程でテストやワークシートによる形成的評価を行い、目標に対する達成度やつまずきを確認する。もし達成できていなければ、補充の教材を与えたり、個別の指導をしたりして完全習得を目指す。指導過程を効果的なものにするために、学習者一人一人の適性や能力に応じて、重点的に取り組むべき学習課題を与えたり、学習に当てるべき時間量、指導方法等を変化させたりする。

ブルームは、評価を有効に活用することによって、学習内容を完全に理解させることが可能であると主張している。アセスメントである。特に形成的評価を重視し、単に数値による評価ではなく、心理学の側面から認知として評価したという。それによってすべての学習者にある一定水準以上の学力を形成させようとした。

この理論は、意識的でないにせよ、相対評価ではなく、絶対評価の導入により現在でも多く見られる。しかしながら、認知の評価という理論そのものが仮説でしかない。また、実際に運用させるには、カリキュラムや学校の組織、時間など、根本的に授業全体を変えなければならない。算数・数学で行われる「習熟度別学習」なんてレベルでは、到底達成できない。限られた教員数で、真の個別化がどこまで可能であるかが、未だ検証されていない。

教育目標(学校の目標)と単元目標を具体的に明確に設定する必要がある。。。

とてつもなくいい考えなんだけど、、教育心理学者であるブルームの考え方を、真に理解できないこと、エビデンスを得ることが難しい現実がある。

学習者一人ひとりが課題を確認し、主体的に学ぶ。学ぶ方法を具体的に示すことで、学習に取り組む。最後に、感想を書くことで、次につながっていく。

これがアクティブ・ラーニングだ!!!とはならんでしょ。なりえないでしょ。。だって、学習課題が、学習指導要領の基礎・基本事項を越えられないから。もしも、それを越えてしまう学習課題だとしたら、完全習得は不可能だ。


ブルームは1956年、「教育目標の分類学:認知領域」を著作し、思考プロセスの6段階を示している。実は、この理論が教育現場において幅広く取り入れられている。

知識 理解 応用 分析 統合 評価

この思考プロセスにおいて、分析と評価の階層が謝りであり、それぞれに認知のプレセスがあることは、2000年にローリン・アンダーソンにより証明されている。しかしながら、彼の提案した認知のプロセスを見直すことは、評価を考える上で多いに意義があると考える。

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