【ICT教育インテル】
私が東京に行ったのは、2015年12月、intel teach Programによるインテルマスターティーチャー養成研修に参加するため。札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の5会場での1day研修を受講した中から各地区の精鋭が集まる2day研修。研修翌日からすぐに使える授業作りを目指せる構成。Intel® Teachマスターティーチャーに認定されると、21世紀型スキルについての理解やプロジェクト型学習による生徒主体の思考支援型授業デザイン(アクティブ・ラーニング)を各地域で推進し、実践することが求められる。
受講された方は、「過酷だった」とか、「頭から煙りが出るほど。。」とか。もうそんなレベルは大学院時代に経験している。基本、研修とは知識注入型であるし、ワークショップ形式の研修は常日頃から慣れ親しんでいる。インテルが提案するプロジェクト型アプローチの授業デザインは、2011年に私の中で構想した理論と合致する点が多く、形として2013年には提案している。ちょうどそのころ、所属していた北海道メディア研究会が中心となり、インテルと協働して研修プログラムを作成。時間的に余裕がなかったので、資格取得は先延ばしにしてきたが、どこか違和感を持っていた研修である。
知識において、過酷さはまったくない。ただ、参加者に一人、とんでもない方がいた。33名もいた研修会だったが、おそらく見えている方は彼一人だったように思う。全国は、広い。いるんだなぁと思った。
『学習者主体の思考支援型授業デザイン』
この『主体』をどう捉えるだろうか?おそらく本当の意味で『主体』に出来る「センセイ」というのは、100人に1人、いや1000人に1人くらいだと感じている。教えたい・教える・教えようとすればするほど、学習者主体にはならない。だからといって、教えることを放棄してしまってはいけない。教えよう・教えようとすればするほど、「主体とは?」ということに近付けなくなる。そもそも「主体」になるには、学習者が「客体」を意識して、そこから自分を認知しなければならない。学習者が「客体」の視点から「主体」を見ることで、はじめて「主体」になるのだ。ここが見えている教師というのは、いくつか質問をしたり、私が意図的に見せる弱い面に対してどんなアプローチをかけてくるか観察したりすることで、ある程度傾向がわかる。
問題解決的なアプローチをしてきたり、クリティカルシンキングの解釈を誤解して、批判・評価したりする「センセイ」には、到底到達できないのだ。
今回出会った彼は、まず私の弱さに寄り添ってきた。一緒に悩ましい波長へチューニングし、ぼそっと自分ならという視点でアドバイスをする。そして決して答えは示さない。私がいくつかの選択を提示すると、「それやね!!」と共感し、あとは黙々と見守るだけ。さらに彼の持っている理論がものすごい実践知であると同時に、自分のことをよく知っている。
『いるんだ』
と正直驚いた。しかも西日本。『見ーーーつけた』って感じだった。ぜひ北海道の同志たちに紹介したい理論と実践。もっと日本中を歩き回りたいと思った。私の徳の一つだなと思った。カリスマ性もない。頼りあるリーダーでもない。だからこそ、ステキな方に出会える。つながれる。
今年はばんばん知識を注入してきた。講座で得たもの、独学で学んだもの、人から聞いたもの、ありとあらゆるものを試し、挫折を経験し、整理してきた。批判されることが多かったと感じる一年だったけど、そんなことはないんだなと思う。批判された分、得られたこともある。世の中、悪いことばっかりだ!という方もいるが、そんなことはないんだなと思う。朝起きて「おはよう」と言えること。陽の光を浴びること、字を見ること、人と会うこと、それってすごく幸せなことだと思う。いいことだらけじゃないかって。悪いことだらけなんてないよって。
学んだから、誰よりも勉強してきたから、出会えた一人。きっと彼は日本の教育を変える。「教えよう」としている人は何も教えられない。「教えてないけど、教えてる」これがわかるのは、1000人に一人。これが見えるのも1000人に一人。ただ、それでいいんだよ。「教師」という仕事が当たり前になったとき、自然なことで、何も意識しなくてもよくなったとき、はじめて見えてくるもの。そういう人に会えた。
これからインテルマスターティーチャーは、全国展開を越え、バカロレアを目指すことになるだろう。それが出来るのは、数名。それはさ、資格じゃないんだ。わかる人にはわかる。北海道にいる数名と、他にも知っている東北、東京の猛者。誰一人、いまは無名。これからじゃ、こっからじゃ。ただ、誰一人、自分から「やろう」という人じゃない。純粋に楽しんでいる。「学び」が当たり前になっている人たち。教師なのに、ぜんぜん違うものを見ている人たち。もっともっと日本を知りたい。
んで、最後に代表で発表をして、インテルマスターティーチャーに無事認定されました☆あとから仮登録にされて、抹消されましたけど。振り返ると、おかしいことばかりの集まりですが、不思議と発言力がある集団でした。嘘ばっかりなのに。