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インド食器屋のインド料理旅

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食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しいインド料理やインドの食文化を、「アジアハンター」の店主・小林真樹さんがエッセイふうにご紹介します。
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#インド料理

グラーブ・ジャームン【3】 インド各地の菓子

前回まではコーヤーとチェナーという乳脂肪由来のインド菓子についてご紹介したが、もちろん乳…

バターチキン 【1】 出会いと衝撃

今やどんな街に行っても必ず一軒はあるインド料理店。 「今日はインドカレー気分だな?」 自…

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バターチキン 【2】 インドでの食べられ方と食器の差

日本で「バターチキン」の美味さに開眼した私は、その後インドを訪れた際も行く先々でたびたび…

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バターチキン 【3】 食材と味の違い

「バターチキン」というワードは、当時の私が主体的に記憶した最初のインド料理名だったかもし…

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ナン 【1】 日本での進化

バターチキンと相性バツグンなのがナン(ナーン)である。焼きたてでふっくらモチモチしたナン…

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ナン 【2】 インド各地のタンドール

「大きく作ったナンを、その大きさを強調させるためノーカットでサーブする」 これが日本のイ…

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ナン 【3】 ナンをもとめて何千里

パキスタン国内に絞ってみても、さまざまなナンが各地に存在する。 パキスタンの西端ペシャーワルにいくと、独特の民族衣装に身を包んだパシュトゥーンの人たちが下町といわず街の至るところに店を出し、大きなタンドールでナンを焼いている。彼ら職人はナンバーイー(ナーンバーイー)と呼ばれ、パキスタン国内ではパシュトゥーン人は「ナン焼き上手な人たち」と認識をされている。街の人々は腕のいいナンバーイーのもとに行き、日々のナンを買うのだ。 ナンバーイーの作るナンは何種類かあるが、とりわけ洗濯板

ビリヤニ【1】 本物のビリヤニとは何か?

「ビリヤニ用のハーンディーください。今度新しいメニューで出すので」 そんな電話が増えたの…

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ビリヤニ【2】 ビリヤニの多様性

屋台やレトルト製品化されるなど、インド国内でも広く大衆化しているビリヤニだが、それでも「…

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ビリヤニ【4】(南インド) 短粒米のビリヤニ

北インドからはじまったビリヤニ話は、今度は一気に南インドに飛ぶ。かつて私は無意識のうちに…

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ビリヤニ【5】(南インド) もう一つのビリヤニ文化

日本でも朝昼晩でそれぞれ食べるものが異なるように、タミルでも、とりわけベジ(菜食)食堂で…

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ビリヤニ【6】(南インド) ビリヤニのありよう

数日間という短い滞在だったが、かつて1度だけ中東のドバイに行ったことがある。ドバイに立ち…

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タンドリー・チキン【1】 タンドリー・チキンの謎

かつて「ビフテキ」や「すき焼き」は昭和世代にとってごちそうの代表格だった。今だったら何が…

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タンドリー・チキン【2】 タンドール料理の源流

「インドでタンドールがある家庭は富裕層だけ。だからナンやタンドリー・チキンは一般家庭には浸透してなく、庶民はチャパティを食べる」 これは高級路線のインド料理店が世に出ていく過程で創り出されたある種の物語である。提供する料理の付加価値を高めるために、タンドールという調理設備そのものにも「高級な」イメージが付与されたのだろう。確かにかつて一度だけ、インドの大金持ちの邸宅でホームパーティー用の「自家製」タンドールを見たことがある。ただしそれはかなりイレギュラーなケースで、一般的にイ