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わたしは、文系院卒です。その2

大学院の思い出

卒業してから何年も経つが、わたしにとって大学院の2年間はかけがえのないものである。
卒業して、それぞれ働く国も場所も異なる。
多くのメンバーとの繋がりはSNSだけになってしまったが、たまに投稿を見ては「ああ今ここにいるのか」とか「わたしも頑張ろう」と思う。
思い返しても、辛いことや嫌だったことが本当にない。(論文が進まなくて辛いとか、そういうのは別として笑)
それだけ仲間に恵まれていた。

わたしの大学院は、国際系で外国の人ばかりであったため「大人しいあなたがやっていけるのか」と心配をされたこともある。

ただ、わたしは自然と彼の中にいた、と思う。
彼らが外国籍だから◯◯だ、とは思ったことがない。彼らといて、わたしはとても落ち着いて楽しく過ごすことができた。
わたしは日本生まれ日本育ち。大学院に入るまで、外国の人とそこまで接したことはない。(外国人の留学生と友達になったことはあるけれど)
それでも不思議とあの場所はわたしにとって生きていきやすい場所であった。

彼らは日本人と比べてとてもストレートだった。
それは、偏見ではなく事実としてそうである。違うことは違うという、他の人がAと言っても自分が主張すべき時はBという。
わたしにとってはそれがありがたかった。
「うーん、なんとなくAにしよう」それでも伝わるし、それはそれで場合によっては大切なことなのだけれど、
利害も何もない学生生活であるからこそ、「でも、わたしはBだ」と言い合える環境はとても楽しかった。

彼らから貰った言葉は端々でわたしの支えになっている。

それはそれとして、就活

大学院の経験はわたしの人生として、かけがえのないものになった。
いい思い出となっていて、今でも繋がりはあり、悩み苦しんだ時は彼らの言葉を思い出すー素敵なことだと思う。
ただ、それはあくまでわたしの人生の一ページである。

他人、特に縁もゆかりもない就活の面接官からしたら、それはわたしの自己満足にすぎない。

話は変わるけれど、わたしは絵を描くことが好きだ。小さい頃から絵本や漫画を描いたりしている。
でも、それは「Twitterで宣伝できるレベル」でもなく「自費出版して買ってもらえるレベル」「イラストが仕事で役に立つレベル」でもない。

だから、面接で「わたしは小さい頃から、漫画を描いたり絵本を作っています。」と言ったとしても、「単に、個人的な趣味を話しただけ」である。
友達作りならともかく、就職を目的とする場所で話すことではない。
それと同じで、面接官に「わたしにとって大学院の経験はすばらしかった」と言ったところで、「良かったね」でお終いである。

いざ、面接で話したこと。

修士論文を書くにあたって、外国語(英語ではない)の資料を大量に翻訳した。
今読めと言われても読めない気がする。日本語の資料が足りなかったため苦肉の策で翻訳せざるを得なかったのである…。
ただ、英語ほど使う機会がないこと、仕事に活かせるレベルまで持ち上げきれていなかったのは今更の反省点。

自分の修士論文は、一応企業にも関係するような内容であったが、即戦力になれるほど(大学院で得たスキルをすぐに仕事に行かせる)ではなかった。

企業は、院卒の新入社員には数万円多く支払わなければならない。
大卒と変わらないのであれば、「わざわざ雇いたくない」のは当然である。

修士論文のほかには、大学院生活で経験したインターン、アルバイトも外国の人が多かったのでその辺りのエピソードを話した。
意外と、こちらの方が仕事に直結すると思ってもらえたようで、「ウケ」が良かった。

その結果、いくつか内定をいただき、無事就職に至った。

※ちなみに、前回書いた学部生時代の唯一の第一志望企業。制度上、再チャレンジできなかった。(数年経てば良かったのかもしれないが…)

今、仕事をしていて思うのは、本当に一方的な憧れであったということ。
その企業の表面的な部分や、社員の人の記事を読んで一目惚れして(※恋愛感情ではありません)ただ「入ってみたかった」。
今でも、面接で舞い上がってただただラブコールをしていた自分を思い返したくないくらい恥ずかしい。笑。
でも、あの不合格があったから「自分の夢」を見直す機会になった。

そして今。

実はその後、一度転職を挟んで今に至ります。
なので、新卒(院卒?)入社した企業については書きません。笑。

ただ一言。
今の職場の方が色々……好きです。笑。

でも、仕事をする上で、異なる企業での経験は役に立っていると思う。

業種が異なるので、「そういえば前の企業はこの時期、大変だったな」とか。ニュースだとサラッとしか言われてないことでも、実は(前の)会社内は超繁忙だったりした。
それって、その企業で仕事をしたり、本当に身近な人から話を聞かないとわからないことだったりする。
「自分の目にする情報(例えば、ニュースやネット情報)だけが全てではない」と身をもって知った。
その裏で起きている、バックヤードで動く人々のことを少しだけれど、想像することができるようになった。

仕事の進め方が異なることもあった。
(わたしは今の企業が肌に合っていると思う。転職後もあっさり馴染めたと思っている。)
ただ「わたしは今の企業が好きだし、こちらの方が良いと思うからそれでいい」と切り捨てるのではなくて、「なぜ前の企業ではこうしていたのか」と比較して考えることで、新しく気づけることもある。

大学院の経験、前の会社での経験。
それは、そこにいなければわからないことであった。たとえ、ひとつひとつは履歴書にかけるようなアピールではなくても、経験を積み上げて、時には過去を振り返ってー形にして行けたら良いと思っている。

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