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今さらだけど。今さらだから。

最近、中学の頃のことをふと思い出した。
あの頃、本当にきみのことが好きだったんだ。

同じバスケット部だったから
よく目で追いかけてた。
あまり学校に来ないきみだったけれど
登校した日はうれしくてドキドキしてた。
同じクラスになったことはなかったけれど
一緒に卓球やったりもしたよね。


そういえば、
日曜日に直ちゃんちに集まって
卒業アルバム見たりしたことがあったね。
すごく楽しかったな。
あの日、風が強くって
直ちゃんちに到着したら
髪がすごい状態になっちゃってて
せっかくお洒落したのにって凹んだ。
そんな気持ち
きみは全然気づいてなかったけど。


大好きだったくせに
自分に自信がもてなくて
彼女が欲しいといったきみに
隣の校区の友達を紹介した。
まさかOKすると思わなかった。
すごくショックだった。
自分で蒔いた種なんだけどね。

それを機に
私は別の人を好きになろうとした。
きみのことを忘れるために。
友達のままでいるために。


私は高校生になって
きみは高校に行かなくて
接点が全くなくなっちゃって
あんまり思い出すことが
なくなってた頃に
きみのことを新聞で知ったんだ。

こんなことが実際に起こるなんて
考えたことがなかった。
映画やドラマの中だけのことだと思ってた。
あの瞬間、時が止まった。
頭の中が真っ白になった。
まだ16歳なのに
もう二度と会えないの?


私がすっかりおばさんになっても
私の中のきみは中学生のまま。
でも、鏡の前に立たない限り
年齢のことは忘れられる。
やっぱりきみはかっこいいよ。
そっちでもモテモテでしょ?




夢の中で会いに来てくれた時
これが最初で最後かもと思ったら
どうしても触れたくなった。
私からキスをせがんだら
照れくさそうに笑ってたね。

でも、
ほんの、ほんの一瞬だけ
本当に触れ合えた。
夢の中のはずなのに
きみを感じた
その瞬間に
目が覚めた。


また逢いたいな。
もうキスはせがまないから
今度は一緒に卓球しようよ。







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