売るより売れる仕掛けを考えろ

もんての思った通りに中国は変わってきている。

為替も
商品も
街並みも
人々の生活も
テクノロジーも
皆の収入も豊かさも

本当に思った通りだ。
87年に韓国に行き始めて10年以上通った。
信じられないほどすごく儲かった。

おかげで
アメリカにもニュージーランドにもシンガポールにもベトナムにもマレーシアにも他の国々にもいろいろ行った。
自分の力で いろんなところに行った事には、自負がある。
娘2人を留学させ、上の娘は、結婚して 今じゃ シンガポール。

家族全員で21世紀を迎えたのは、ニューヨークのタイムズスクウェア
これだって他人が出来ない経験だ。
その9ヶ月後、9.11は起こった。

時代が変わった事を感じた。
だから日本を出る事にした。
あれから十余年

もんても世界も本当に変わった。
日本なんか、あの頃の勢いなんてかけらもない。

ただ、変わらない事がある。
もんてのビジネス感とビジネス観だ。
何故、今まで儲かってきたか?!
食えてきたか?!

それは売れるものを作ったから
決して売れるものを探したわけじゃない。
しかも 売るという手間がかからないやり方をしたからだと思っている。

売るものを探すのは、時間がかかる。
売れるものを作るのが 一番いいと思っている。
それは今も変わらない。
もちろん、もんてには、資格も学歴もない。
でも世界と関わって生きてきた経験がある。
経験から法則を引っ張ってきた。

失敗も何度もした。
だから同じ失敗はしない自信がある。
でもこの10年は、運が悪かったようだ。
その運をなんとか凌いできた。

これから、どうなるか?!

中国には十分風は吹いている。
その実感がある。
根拠も理由もある。
理論もある。

それをここでは記していく。

<販売戦略、営業戦略を考える時のターゲットの購入動機について>

今の時代、売れるものを考えるより、自分も楽しめるもの、周りを巻き込めるものを考えないといけないのではないだろうか?!

利益率やマーケティングだけでなく、販売側、提案側も純粋にワクワクできるものを探す。
消費者と同じ目線で商品やプロモーションできる意識が 大切になってきている時代だと感じる。

生活必需品の場合、安いとか高品質などの実質的部分が 購入動機になってくるのは当たり前。
しかし、付加価値をつけた上で適正利潤を確保して商品やサービスを販売する場合、
購入動機を考え、場合によっては調査し、販売戦略や営業戦略を立てる必要がある。

リアル販売においてもネット販売においても 価格政策がポイントだと言う人々がいる。
だが 単純な値引きは最低のサービスだと 思う。

だれが何と言おうと、同じ商品ならより高く売るのが商売である。
誤解しないように言っておくが 価値より高く売りつけろと言っているのではない。
客を騙して高めに売りつけろと言っているわけでもない。
価値に合った価格で勝負をしろと言っているだけである。
競合状態になってしまってライバル企業より圧倒的に安くすれば売れる場合が多いが、値引き販売は、誰でも出来る。
そしてその結果は安売り合戦になり 最後は自分の首を絞める。

ネット上では、同じものなら価格で売れ行きが決まる。と言われている。

それを回避するためには、普段から1円でも高く販売するためにはどうするかを考える。
実際に高く販売しなくてもお客が価値を感じる価格と、実際の提示金額の差が大きければ大きいほど、販売に成功する確率が高くなる。
その為にも普段からより高い金額で販売する事を考えて普段の営業活動を行なう事が大切。

100円ショップでも 商品の価値における値付けは行われている。
同じ価格の100円ショップで変な事を言うと思われるだろうが
原価が違うのに同じ百円で売れられていると聞けば納得もするだろう。
湯が冷めないようにするシートと食器棚の下に敷くシートは材質は同じ物がある。
材質が同じでサイズが違うのに価格が同じ、何か変だ。だが 食器棚用のサイズであればそのまま使える。切る手間もすくない。
だからサイズが小さくて原価が安くても価格が同じなのだ。
そういう意味では説明や使い方の提案や資料などで100円以上の価値を感じてもらえれば、200円でも500円でも本当は販売が可能になる。
普段販売している商品を 実際に販売しないとしても
通常価格の倍で販売するには、どんな事をお客に対して行なえば、
倍の金額で販売できるかを普段から考えたり実行する事によって、
販売力が上がってくる。

もんての師匠である京セラ名誉会長であり「盛和塾」稲盛和夫塾長は、

「値決めは経営」経営12か条より
商売というのは、値段を安くすれば誰でも売れる。
それでは経営はできない。
お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。
それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない。

と説いている。
一円でも高ければ 客が逃げ、一円でも安ければ、
自分が無駄に損するその一点の価格はいくらかを考えろと言う話である。
自爆的で自分の首を絞めるような単純な値引きや
最低価格保障などは、先に考えるべきではない。

確かにお客の前では、出来るだけ安く販売しようとしている演技力は
必要だが、実際に出来るだけ安く、ぎりぎりの販売を行なっていれば、
勿論、十分な利益は出てこない。
販売経験もお客への提案力も上がってくる事は無く、
単に安くして販売しているだけで終わってしまう。
故に販売力の蓄積もなく、成功もしない。

決まった販売価格で販売しなくてはならない商品は
決められた価格で最終的には販売をすれば良いが、
倍の販売価格で販売を成功させる場合には、どんな販売手法をつかったり、
どんな資料を作成したりプレゼンテーションをすれば良いのかを
考える事は、営業スキルを向上させるのは非常に有効になる。

お客に言われなくても自分から自滅的にどんどん値引いてしまって、
粗利益がゼロに近い状態で販売をしてしまう社員も多くいるようだ。
商売としてお客に喜んで貰っているだろうと考えているんだろうとは思うが、何の為に営業活動をしているのかを考えてみたほうがいい。
その場の販売で目の前の客を単純に喜ばせる事ではなく、大きく考えれば、
より高く販売して利益を出し、自分や会社や社会に還元する事が目的なのだ、
その中から自分の給料も捻出している事を理解しなければならない。
その為の努力をしていく事がとても大事になってくる。

もんてが経営していた携帯電話ショップでも 社員が
すぐに値引き枠一杯を 最初から提示してしまい、
周辺の店との差を出せずに苦戦した時期があった。
各販売店が何の企画もせずに値引き合戦だけで拡販し始めた頃だ。
毎月毎月「あそこの店が5000円引きで販売してます。もう1000円引いて売らなければ売れません」
そうなってくると、キックバックだけが 収入になり、
本体販売は大赤字の体質になっていた。
そこで もんては 中国から景品を仕入れる事にした。
一番大きかった景品は、折りたたみ自転車だった。
ホームセンターで安売りの時に9800円程度、
通常12800円前後で販売している自転車をおまけにつけたのだ。
中国からの仕入は3000円、他の店は馬鹿の一つ覚えで現金5000円引。
結果は皆さんの考えている通り。

立場が変わって客の立場になれば
出来るだけ安く購入しようと思うのは当たり前の事。
お客が値引きを要求をしてくるのも当然の事。
対抗上、当然の事として、より高く販売が出来るように努力しなければならない。

お客が値引き要求してきた事が値引きの理由にはならない。
具体的にライバルの攻勢やなどが有って初めて値引きの理由になる。
そうであっても 最初から現金値引きをするのではなく
まずは、 物ではない保証などのお得なサービス。
次に 商品以外の値引き以上の価値や魅力のあるサービス。
最後の切り札として 次に自店で使ってもらえる商品件などのサービス。
でやるべきである。

5000円の値引きより 6000円の商品券のサービスをしたほうが
売る側も 実質5000円未満の出費で済む場合が多く
次回の購入に結び付けられる事になる。
現金の値引きは最低のサービスである。

よって 最終的な価格戦略は最後に回すべきである。
価格ゾーンなど総合的な状況を元に最後に考えればよい。
決して利益率や他社との相対的バリューから
価格を先に考えない事であると思う。

売る側にとっても
<安くても売れない物は売れない 高くても売れる物は売れる> 

消費者側に立てば
<良いものはそれなりに高い しかし高い物が良い物とは限らない>

お客の購入動機を考えるって事は、
どうすればより高く沢山商品が販売できるかを考える事である。
それは、商品企画や開発にも非常に重要である。

さて 価格については、どうしても陥りやすい考え方があるので 先に話をしたが
ここで売れる事と売る事の違いの話に戻そう。

購買の動機を考える場合、
<はじめにニーズありき>で考えるのか、
<新たなニーズを作り出す>のどちらに当てはまるのかを判断する。

《はじめにニーズありきの場合》

既にニーズが有る訳だから、購入の動機について比較的想像をつけやすい。
既にニーズがあるところに商品を売り込む場合、
まず、考えられるかぎり顧客の購入動機について
大きな動機から小さい動機まで全てを紙にでも書き出してみる。
考えられる購買の動機を全て羅列したら、
次にライバル企業の競合商品の状況も並べて書く。
つぎに後は購買の動機の各項目について、
どのような営業戦略や施策や方法で、
より自社用品が多く売れるように出来るかどうかを考える。

上記を項目別に現状把握して 戦略や施策を一対一で書きながら考えていく。

《新たなニーズを作り出す場合》

新たなニーズと言ってもいくつかある。
ニーズというよりウォンツである場合もある。
ウォンツとは、今まで それがなくても
不満や不便を感じていても しょうがなく使っていたが
その出現で今まで使っていたものよりぜひ使ってみたいと
魅力を感じさせることであると思う。
それが欲求であり、ウォンツなのだと思う。

また、携帯電話ショップの話になるが
当初、携帯電話販売をし始めた時もなかなか差別化が出来なかった。
当時、店舗販売の販売店はなく、紹介販売や訪問販売が主流であった。
もんてはそこに県下で初めての有店舗販売を始めた。
というより 九州で2番目。
新聞での広告も携帯電話販売では県下初めてだった。
現物を観て買いたいと言う客が県下各地からやってきて契約した。
訪問販売では現物を観ずに説明だけで買わざる得なかったのだ。
商品知識も浅い兼業での販売では心配だったのだ。
そのニーズに応えた後、今度は機種専用クリップ付皮ケースを韓国で製造して販売した。
メーカー純正皮ケースは、ケースに入れたまま発信できなかったし、
クリップもなかったので バッグに入れなければならなかった。
もんては、アメリカで見たモトローラ用の透明ビニール採用で
クリップでベルトに留められるケースを国内メーカーの機種専用で韓国で製造させて販売した。
販売価格はメーカー純正ケースと同じ3980円だったが
機能性で2つも上だった。
3980円でもぼちぼち売れる商品性はあったが
それを自店で購入した客には半額の+1980円でセット販売した。
他の店がいくら値引きしても全然怖くなかった。
懇意にしている同業者や県外の携帯電話業者にも卸売りした。
その結果、その電話キャリアでは、地域一番店になった事も数回あった。
もんての店のような弱小新興会社でもそういう事が出来たのである。
その積み重ねでかなり儲けた。
携帯電話販売店(auショップ)を7店舗まで拡大できたのも
携帯電話ケースがあったからである。

だから、ニーズを満たした上で さらなる付加価値を考えついたのであれば
若しくは、つけられるのであれば、 その時点で ニーズを満たしているのであるから
その付加価値は、その顧客にとって確実に有用か有用でないかまで考える必要はない。
もし、その付加価値や機能が本当に有用であるならば
既にそれは競合製品ではなく 新商品である。
携帯電話ケースも当時は画期的新商品だった。

また、”面白い”とか”目新しい”の部分では、
斬新な閃きが 物を言い、発想力が とても重要だが、
毎回毎回、アイデアや閃きだけで勝負しても、長続きしない場合も多いし、全く売れない結果に終わる場合も多い。

購入動機について考える事は、
競合商品についても考えたり比較する機会も出てくるが、
実際に販売を行なうにあたっても 営業や経営側が購入動機について考え、営業戦略や施策を考えたことが自信を持って営業に臨める様になる。
セールストークになる場合も多いので、一度考えてみるのも良いことだと思う。

今、非常に売れている話題の商品やサービスが、何故売れているのか?
購入動機について、調査しておくと後々役に立つ場合が多いはずである。

売れるより売る仕掛けを考えろ②「わりとおいしい。」へ続く。


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