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「わりとおいしい。」

~売れるより売る仕掛けを考えろシリーズ第二弾~

もんてが日本で中古電化製品販売をしてた20年ぐらい前、
たまたま手に入れた飲料自動販売機を店の外に設置してました。
コカコーラではないアメリカンコーラとか、
サングリアのウーロン茶とかを50~80円で販売してましたよ。
現金問屋から安く仕入れて来て 入れておくんです。
家賃ぐらいは出ていましたから とても 助かりましたよ。

も一言、面白い話を加えるなら
その中古の自動販売機、持ち主はとても邪魔だったらしく
5000円払うからどっかにもって行って処分してくれとの事
まだ使えるから 使っても構わないよとの事

店先において きれいに清掃して
さて使おうと 中の整備に掛かった時にビックリ

な、なんと お釣りが~
50円玉が~、10円玉が~
ざっくり、入っていたのでしたwww。

と言うわけで 自動販売機の販売機代は、ただどころか、お釣りつきww
約5000円は入っていたと思います・・・あははは

最初の頃 50円のコーラって なかなか売れませんでした。
50円ならメチャ売れると思ったのに
仕入が29円だけど
やっぱダメなのかな
本当のコカコーラじゃないとおいしくないと感じるんだろうか?
と思いながら 。。。。

ある日、ちょっと思いついて

商品サンプルのところに「わりとおいしい50円コーラ」って 小さなPOPを書いたんです。
そうしたら 売れ始めたんです。

熱い夏の盛りのある日、ちょうど自販機の周りを掃除していたら 高校生が3人やってきました。

そして自販機の前を通り過ぎようとしました。そこでもんてが書いた
ちいさいながらも目立つ蛍光紙に鮮やかな赤で書かれた手書きの
「わりとおいしい50円コーラ」と書かれた文字が目に入ったようでした。

一人が「お、わりとおいしいってよ」

もう一人が「さっき飲んだばかりだからな~。50円で本当においしいのかな?」

別なもう一人が「飲んでみてよ~」

最初の高校生が「よし、飲んでみるか」と 100円入れて50円のお釣りをとって飲みました。

後の二人が   「どうよ?」 「どお?どお?いける?」

最初の高校生が ちょっと 口に含み、その後、「うん、 わりとおいしい~」  

まあ、炎天下ですから暑かったのでしょう。
グビグビグビ プハー と一気呑み

そうしたら、一人がすかさず「俺にも奢れ」といって 
最初の高校生のお釣りの50円硬貨を奪い取って50円コーラを飲みました。

後の一人はそのコーラを味見して
言った言葉が「うん わりとおいしい、他のはどうだ?」と言って 今度は80円のドリンクを買って飲みました。みんな納得して「うんうん」 頷きながら 帰って行きました。

素知らぬ顔をしていたもんてですが 
内心 すごく可笑しくて 彼らが去った後 店に戻って
店の皆に報告してみんなと大笑いしました。

その後も彼らを見ることがよくありました。
どうやら 勉強の帰り道にわざわざ寄り道してくれているようでした。

でも これって 商売として その後のヒントになりました。

「凄く美味しい50円コーラ」と書いていたら 
きっと 彼らは一回きり 一本しか買わなかったでしょうね。
だって すごくおいしいとは思えませんものwww

「わりとおいしい」と書いていて、
わりとおいしいから納得して割安感を感じて
通ってくれるようになったのでしょう。
誇大広告は駄目だと思いました。

しかも 原価は 29円なので 2本売れれば 利益は  42円
コカコーラは 大量仕入しても100円売で 68円 利益は 32円
2倍売れれば、コカコーラ一本売るより利益は大きい。

商売とは、本当を訴えて共感を引き出すのがコツだと覚えた。
うそっぽい売り込みや内容を伴わない広告は逆効果です。
売り込んだらいけません。共感を得られれば 自然に売れます。
お得を売り込むより 納得を売り込む。共感を得る。

共感できるコピーライティングで たった一本50円の売上の利益が 
家賃並の収入に変えてくれていたのですよ。

どうやって売るかではなく、
どうやったら売れるか
何が売れるか
どう感じさせたら売れるか?

そういう事を考えるようになったきっかけでした。

その後は、いろんな飲料メーカーのダイドーやコカコーラが
売行きがいい事を感じたらしく
いろいろな好条件を持って設置してくれとセールスに来ましたが
利益率を知っているもんては 普通の条件ではなく、
かなりの条件を突きつけ、大手のコカコーラであっても
他店よりも値引きをさせることに成功しました。
もちろん自社の自動販売機も2台設置して合計5台ほど設置していました。

角向かいにコンビニが出来てからは 売上も下がりましたが
それでも格安自販機の売上は、最後までそこそこの売上げをしていましたよ。

シンガポールの並行輸入のコカコーラを80円で売ったり
(コカコーラの態度が悪いと すぐに並行コーラを売るんです。そうすると頭を下げて条件を良くして来てましたねww)
あとお茶やウーロン茶のペットボトルはマイナーブランドでも良く売れてました。
冬は 当時珍しかったおしるこやスープ缶のホット販売をしましたね。
その店の中では 金券ショップもしていましたので テレホンカードやハイウェイカードなどを中古のタバコ販売機を利用して売ったりもしていましたね。

自動販売機の活用は面白いですよ。
いろいろなことが出来ます。

店内商品の割引券や当たり券つきシールを貼って 販促をしたりもしましたね
コンドームも販売しようかとおもいましたが
家内や社員の反対で やめました。。。

今なら売ってもエイズ予防でいいのかもしれませんけどね。。。

売るより仕掛けですよw

売れるより売る仕掛けを考えろ③発想法:オズボーンのチェックリスト
へ続く。

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