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発達障害はグラデーション
こんにちは、モンブランひとみです。
今回は発達障害について詳しく掘り下げてみたいと思います。
発達障害の特性を持つ人は、全人口の10%程いると言われています。また発達障害の特徴は全ての人が持っています。
「じゃあ全員が発達障害なの?」と言うと、それも違います。
全員が発達障害と隣り合わせではあるけれど、だからといって「ただの個性・性格」で済ませることもできない。
発達障害の概念はとても複雑でわかりにくいです。
そのために理解を得られにくい部分もあります。
・発達障害ってどういう障害なのか?
・発達障害はどうやって診断されるのか?
・発達障害とそうじゃない人は何が違うのか?
これらのことを少しでもわかりやすく伝えられるように書いてみました。
あなたの周りにも、発達障害の特性を持つ人が必ずいます。もしかしたら自分もそうかもしれません。
発達障害が自分ごとに感じられ、理解のお役に立てたら嬉しいです。
発達障害はグラデーション
発達障害はグラデーションと言われています。
発達障害を抱える人と、発達障害ではない人(健常発達)は、明確な線引きがあるわけではありません。全員が同じ延長線上にいます。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54953687/picture_pc_550244d9b009d4c72f391aa04512d3bf.png?width=1200)
白に近いほど日常生活で困る場面が少なく
黒に近いほど日常生活で困る場面が多くなります。
発達障害の特徴のことは症状とは言わず『発達特性』と言います。
『発達特性』には以下のようなものがあります。
・こだわりが強い
・突然の予定変更が苦手
・空気を読むことが苦手
・相手の気持ちを想像することが苦手
・冗談がわからない
・音や光などの刺激に敏感 など
健常発達の人にも上記のような特性はありますが、生活で困ることがなければ発達障害ではありません。
日常生活の中で困ることが多く、支援が必要な場合に初めて「発達障害」の診断を受けるのです。
黒=発達障害ではない
例えば。
骨折って、レントゲンを撮れば骨が折れているかどうかがわかりますよね。誰から見ても、骨折とわかる。
でも発達障害って、
「検査で〇点以下なら発達障害」とか
「レントゲン撮って黒い影が写ったら発達障害」
というものではないんです。
白黒はっきりできるものではない。
誰から見ても一目でわかる診断基準があるわけではないんです。
そのため診察をする医師によって診断が変わることもあります。
じゃあ何を基準に診断しているかというと、
「発達特性によって本人あるいは周囲の人が困っているかどうか」です。
黒に近い灰色だけど診断がなくても困らないこともあるし、逆に白に近い色でも診断が必要な場合もある。
『黒色=発達障害』というわけではないです。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54933884/picture_pc_e6ffe9c56cc6c73426d982b8b6e67118.png?width=1200)
発達障害の人はいつも支援がいるのか?
じゃあ発達障害の診断がついた人はいつも特別な支援がいるのか?というと、そうではありません。
支援がないと困る場面もあるけれど、
支援がなくても問題ない場面もある。
グラデーションの濃さは「場面」によっても変わるんです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54953715/picture_pc_c042e7f3a9f9700226fe2e4507c0ffb5.png?width=1200)
広汎性発達障害の2歳の息子は、初めての場所では落ち着いて過ごせません。
初めて参加した絵本の読み聞かせ会では、他の子が座っている間、ひとりだけ走り回ったりジャンプしたり。
初めての場所に不安を感じ、不安を紛らわすために興奮してしまい、結果的に落ち着きのない行動に出るのです。
でもそんな息子も、慣れた場所では落ち着いて過ごすことができます。
例えばレストランでは食事の間立ち上がることなく、1時間以上椅子に座ることができます。
一度理解したルールを守ることは得意です。
「椅子は座るものだ」とわかっているため椅子があれば動き回ることなく過ごせるのです。
一人だけ立ち歩いてしまった絵本の読み聞かせ会では椅子がなく、床に座るスタイルだったため「座る場所」が理解できなかったのです。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54933897/picture_pc_17322e9f5c56a94fff15f63a2d62c113.png?width=1200)
そのように、発達特性による「困り感」は場面によって変わります。
大切なことは、困らない場面ではむやみに手出しをせず見守ること。
特に子供の場合、全ての場面で常に援助していると自立性が育ちません。
本来子供は、自立する力を持っています。
自分で決め、自分でやり遂げる。
そうやって自分でできたことが自信になり、自分を信じられる自立心が成長します。
その成功体験が積み重なって自尊心が育ちます。
苦手な部分はサポートしつつ、出来ること・得意な部分には手を貸さず見守る。
これが発達障害の子を育てる中で大切にしていきたい部分です。もちろん発達特性を抱える大人にとっても大切な観点です。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54934010/picture_pc_a2c04744c4f35c0e43bf23a65840cb57.png?width=1200)
障害は個人ではなく社会にある
最後に、発達障害の「障害」についてお伝えします。
私は視力が弱いため、普段めがねを使用しています。
もしめがねがなかったら、目の前の人の顔や表情もうまく見えないし、探し物もみつからないし、危なっかしくて車の運転もできません。
めがねという矯正器具を使わないと日常生活に支障を来します。これは「近視」というひとつの障害です。
だけどめがねを使っている人を、一般的に「障害者」とは呼ばないですよね。本人もそう思っていない。
それは視力が弱くてもめがねを使えば日常生活に支障がないから。
何か欠点があっても、それを補う方法があれば、それは障害ではなくなります。
これと同じことが発達障害にも言えます。
発達障害の『障害』は、個人ではなく社会にある。
社会の大多数は発達障害ではないグラデーションの薄い人たちです。
グラデーションの薄い人たちが社会のしくみを作っているから、グラデーションの濃い人にとっては困難が多い
それが今の社会です。
グラデーションの灰色の人も。
黒色に近い人も。
すべての人がお互いの苦手を得意で補い合える社会になれば、発達障害は「障害」じゃなくなり、「特性」は「個性」になります。
息子は2歳で発達障害の診断がついた。診断を受けるのは怖くなかった?と聞かれることがあるけれど。診断を受けることよりも、特性に応じた支援を受ける機会を逃すことの方が怖かった。だから診断を受けられた時はホッとした。診断はレッテルではなくて、支援を受けるためのパスポートだと思ってる。
— モンブランひとみ🌰完全なるちくわ (@kurimi758) March 7, 2022
Twitterとnoteにて発達障害について発信をしています。
ひとりでも多くの人に発達障害を正しく知ってもらえて、全ての人にとって生きやすい社会になる。その一助になれば幸いです。
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